HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報546号(2012年4月 4日)

教養学部報

第546号 外部公開

21KOMCEE:滞在型のアクティブラーニング空間

永田敬

http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/

546-E-11-2.jpg21 KOMCEE は、昨年五月に竣工した新しいタイプの教育棟です。正式な名称は21 Komaba Center for Educational Excellence ですが、21KOMCEE(発音は“コムシー”)の略称で呼ばれています。21 KOMCEE の特徴を表すキーワードは「滞在型・アクティブラーニング・ZEB」です。

〈滞在型〉
教室群がある三階から五階の廊下には、長椅子が置かれた広いスペースが設けられ、壁面には大型ホワイトボードが貼られています。授業の前後に友達と議論したり、教員への質問や自習に活用してください。無線LAN環境も整備されています。地階にあるオープンスペース・アリーナは、自習やグループワークのための自由空間です。洒落たカフェテリアKOMOREBIもあります。地階から二階まで三層吹き抜けのガラス張りの空間「MMホール」は、通りすがりの人が思わず引き込まれるような音楽演奏や演芸などのパフォーマンス、演説やトークイベントなど、何か面白いことが毎日起こっているような活動的な空間を想定して設計されました。「光湧」と名付けられた特徴ある照明は、国際的な照明デザイナー石井リーサ明理氏によるものです。

〈アクティブラーニング〉
すべての教室には、可動式の机・椅子、片壁一面のホワイトボード、議論のまとめや発表に使うディスカッションボードなど、学生の皆さんがアクティブに授業に参加するための環境が整備されています。これらの教室は「スタジオ教室」と呼ばれています。スタジオ教室の廊下側の壁は全面ガラスになっています。履修していない授業でも、通りすがりにちょっと覘いてみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。
一階北側にある一〇一教室は、身体運動・身体表現・身体計測を採り入れた授業のために、体育館並みのフローリング仕上げの床になっています。二階には観覧用のキャットウォークも設けられています。アクティブラーニングのコンセプトは、地階に設けられた二百名収容のレクチャーホールにも反映されており、講師と聴衆の距離が近く、お互いの緊張感が伝わる「白熱授業」が展開できるような工夫が施されています。

〈ゼロ・エネルギービル(ZEB)〉
サステイナブルキャンパスの実現を目指す東京大学の新たな試みとして、21 KOMCEE には最先端のZEB技術が結集されています。例えば、地熱・自然換気を利用した空調設備、LED照明、人工知能による建物制御システム「学ぶクン」などがその例です。学生の皆さんには、ZEB環境を通してサステイナビリティや低炭素社会の問題を身近に捉えて欲しいと考えています。
21 KOMCEE が目指しているのは、授業時間以外にも滞在でき、図書館やコミュニケーションプラザとはちょっと違った使い方ができるアカデミックな空間の創出です。皆さんも是非活用し、実感してください。

(学部長室/相関基礎/化学)

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