HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報582号(2016年4月 1日)

教養学部報

第582号 外部公開

辞典案内 2016 漢和辞典

齋藤希史

まず漢文読解に役立つ小型辞典から。①『全訳漢辞海』(戸川芳郎監修、佐藤進・濱口富士雄編、三省堂、第3版2011年、3045円)は、古典文を読むための「古漢語」辞典として、語法分析に特色があり、付録も充実している。②『角川新字源』(小川環樹・西田太一郎・赤塚忠編、角川書店、改訂版1994年、2520円)は小振りだが多くの熟語を収録して信頼のおける簡潔な説明に定評がある。専門家の愛用者も多い。日本語における漢字語の辞典としては、五十音引きの③『角川現代漢字語辞典』(阿辻哲次・釜谷武志・林原純生編、角川書店、2001年、3990円)、近代文献から用例を集めた④『新潮日本語漢字辞典』(新潮社、2007年、9975円)がある。iOS/Android対応の漢和辞典では、⑤『漢字源』(藤堂明保・杉本昭・竹田晃・加納喜光編、ロゴヴィスタ、3045円)、⑥『新漢語林』(鎌田正・米山寅太郎著、ロゴヴィスタ、1900円)が何かと役に立つ。

中型以上の辞典として、⑦『角川大字源』(尾崎雄二郎他編、角川書店、1992年、23446円)は、10万語の熟語を収録し、用例も豊富で専門的な使用にも耐える。⑧『新訂 字統』(白川静著、平凡社、普及版2007年、6300円)、⑨『字通』(白川静、平凡社、普及版2014年、10500円)、⑩『学研新漢和大字典』(藤堂明保・加納喜光編、学習研究社、普及版2005年、9240円)は漢字の成り立ち・意味の解説にそれぞれ特色がある。

小型・中型辞典で解決できない場合は、⑪『大漢和辞典』(諸橋轍次著、大修館、修訂第二版全15巻、2000年、252000円)に図書館等で当たるとよい。ただし、いかなる辞書にも言えることではあるが、『大漢和』だから正しいというわけではない。さらには中国で出版された古漢語辞典(語釈は現代中国語)である⑫『辞源(修訂本)』(商務印書館、第3版2015年)、⑬『漢語大詞典』(上海辞書出版社、23冊本2011年)、⑭『漢語大字典』(四川辞書出版社、第2版2010年)も参考になろう。最後に、これまで挙げたどの辞書よりも小さいが、使いこなせば最も有用な字書⑮『支那文を読むための漢字典』(研文出版、第9版1999年、3150円)を加えておこう。

(超域文化/学際日本/文学部)
 

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