HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報583号(2016年5月11日)

教養学部報

第583号 外部公開

東京大学ではハラスメント防止に取り組んでいます

矢野ゆき

~気になることがあればハラスメント相談所へ

新入生のみなさん、駒場キャンパスでの生活に少し慣れてきた頃でしょうか。授業や課外活動などで、これまでとは違う人との関わりに刺激を受けると同時に、コミュニケーションの取り方や、なじみのない慣習に戸惑ったり、違和感を覚えたりすることもあるかもしれません。このような違和感の中にハラスメントの芽が存在していることがあります。

ハラスメントと言うとおおげさに聞こえるかもしれませんが、どこからハラスメントなのか、はっきりしているわけではありません。「なんだかヘンだな」と思ったら、それが自分を守る安全センサーですので大事にして下さい。たとえば、自分だけが特別扱いされたり、プライバシーに関わることに立ち入られたりしたら、少し考えてみましょう。周りの人に尋ねてみたり注意深く様子を見たりして、自分に起きていることを客観的に考え判断することは大切なことです。みなさんが違和感を覚えつつ迷っている時に「みんなそうだから」「以前からこういう伝統だから」と言われて、断れないようなことがあれば要注意です。さらに自分の安全センサーを作動させて下さい。なぜなら大学は、教育・研究のためのコミュニティであり、個人として尊重され、自由な考えと行動に基づき自律的に活動することは、とても大切なことだからです。

東京大学は15年ほど前から、全学的な制度を通じてセクシュアルハラスメント防止に取り組んできました。駒場キャンパスにも当時からハラスメント相談所が開設されています。現在は、教育・研究上におけるハラスメント(アカデミックハラスメント)や、飲酒を強要されて困るなど、その他のハラスメントについても学部学生・大学院学生・職員・教員すべての構成員から様々な相談を受けています。

たとえば、性についての感じ方や考え方は一人ひとり違いがあります。性に関するあり方や出来事は個人的なものですから相談しにくいこともあるでしょう。一方でそのような出来事は、しばしば深刻で重大な意味を持ちます。みなさんが他の人の「不快な性的言動」によって快適な学生生活を続けていくことが難しく感じたら、ハラスメント相談所を訪ねてみて下さい。みなさんのプライバシーが守られた形で、ハラスメントの相談を専門にしている相談員が対応しています。

最近ではSNS上でのトラブルが多くみられます。自分のことはもちろん、他の人の個人情報(大学・名前・住所・課外活動など)も安易に書き込まないようにしましょう。匿名で、気軽につぶやいたり書き込んだりしても、その書き込みが人権に関わると判断された場合には注意を受けることもあります。また、「先輩や同級生に嫌われないように受け答えしているうちに、携帯電話のメールアドレスや電話番号を伝えてしまい、とても困っている」という相談があります。あなたの日常生活に影響することですので、個人情報の開示は慎重にして、大学用とプライベート用のアカウントを二つ用意して使い分けるなど自分を守ることも心がけて下さい。

自分のことではなく、周りで起きていることでも相談所を利用することができます。ハラスメント相談所では、相談を通じて問題を整理し、どのように対処したら良いか一緒に考え、また必要な場合にはあなたの了解を得て、具体的に問題の解決を図ることもしています。

ハラスメント相談所の場所は、保健センターの右隣、3階建ての一〇二号館の1階です。月・水・金に開室しています。駒場相談室が開室していない日でも本郷キャンパスで相談できます。電話かメールで予約をすると確実です。詳しい情報は大学のHPからハラスメント相談所を検索して下さい。

(東京大学ハラスメント相談所)

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