HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報598号(2018年2月 1日)

教養学部報

第598号 外部公開

BiblioPlazaへのお誘い

清水 剛

東京大学のトップページの下の方、いろんなバナーが並んでいるところの右下の方に「UTokyo BiblioPlaza」という見慣れないバナーがあります。「東大教員が著作物を著者自ら語る」という説明がついていますが、一体これはなんでしょう?

クリックしていただくと、黒と白を基調としたトップページの中で、本の表紙の写真が見えます。さらに本の写真をクリックしていただくと、本に関する説明が出てきます。実はこれ、タイトルの通り東京大学の教員が「自らの」著作について語っているものなのです。

試しにクリックしてみましょう。内容は様々で、その著作(主として本、たまに論文)の内容について簡単に説明するものもあれば、そもそもその著作がなぜできたのかの経緯を語るもの、その著作を書いた意図や背景となる事情について述べるもの、著作の出版後に人々がどう受け止めたかを語るもの……いずれも、そこから著者が自分の書いたものに対してどのような思いを持っていたかがわかるもので、自分が読んだことのある本であれば「あ〜、なるほど」と思い、読んだことのない本であればその本を読んでみたくなる、そんなサイトです。もちろん、自分が授業を履修したあの先生はどんなものを書いているのかな、とか、名前だけ知っているあの先生が書いたものを知りたい、などという目的にも対応しています。まあ、これを読んでも単位が取れるということはないでしょうが……

検索をしていただくこともできますが、お勧めは部局のタブを開いてのんびりタイトルや表紙を見て、気になった本のページを開けてみることです。教養学部の皆さんでしたら、まずは教養の先生からでしょうか。たまたま説明を読んでみた本の著者が前に履修した授業の先生だった、なんてこともあるかもしれません。

また、このサイト、良くみると英語版もあります。こちらはまだ数も少なく、発展途上なのですが、日本語で書かれた教員の著作について英語でもその存在を発信しようとする試みです。

世の中には、ビジネス書の「ブックビネガー」とか、新潮社の「ブックバン」など、様々な本の書評をするサイトや、それをまとめたサイトが結構あります。これを見ていると、新しい本の紹介やプロの評者たちの意見があり、非常に参考になります。ただ、著者自身が自分の著作について、いわば生の声で語る空間というのはあまりありませんでした。このBiblioPlazaは、東京大学の教員達の著作について「自ら語る」ことをお願いし、そして書いていただいたものです。ですので、ここにある内容は、おそらく他ではなかなか見ることのできないものだと思います。同じ本について、書評とこのBiblioPlazaの記事を見比べる、なんてこともできるかもしれません。

このサイトは、東京大学の教員の研究成果を世間に知ってもらおうということで始まったプロジェクトの一環(この文章を書いている私もそのプロジェクトのメンバーなのです)として、二〇一七年三月にできたまだ新しいサイトです。今後は新しい著作を中心に内容を充実させていき、いずれ文字通りの「本の広場」にしていきたいと思っています。時々チェックして、お気に入りの本を見つけてください。何かご意見があればサイト内の「問い合わせ」までどうぞ。URLはhttp://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/ です。

(国際社会科学/経済・統計)

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