HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報616号(2020年2月 3日)

教養学部報

第616号 外部公開

第70回駒場祭の報告

磯﨑行雄

令和初めての駒場祭は、ほぼ二十年ぶりの雨に見舞われた。当初、客の出足が心配されたが、例年どおり多数の訪問者が繰り出し、賑やかな集まりとなった。これも、駒場祭準備委員会の学生たち諸君、またその対応に土日返上であたられた学生支援課の職員の皆様の努力の賜物である。体育館周辺の工事のため、一部は通行の不便が生じたが、大きな事故や怪我人もなく、無事に駒場祭が終了したことがなによりも良かった。改めて関係者全員に感謝したい。
例年どおりの多様な企画会場や模擬店の前の賑やかさに対して、ひっそりと行われた展示の中に印象的なものがあった。生協食堂の二階の細長いギャラリーで、一九五〇年代の第一回からの歴代の駒場祭パンフレット表紙が額に入れて展示されていた。いずれも懐かしいイメージが並ぶ中で、一九六八年の唐獅子牡丹の刺青姿と「止めてくれるな おっかさん 背中のいちょうが 泣いている 男東大 どこへ行く」という七五調名文句が、なんといっても懐かしかった。まだ中学生だった私でさえ記憶にとどめる、あのフレーズだ。
もう一つ、印象的だったのは、最終日の後片付けの際に見た、ゴミの有様である。生ゴミ、食用油、プラゴミなどがキレイに分別されてはいたが、その総量には目を見張った。まさに駒場祭三日間の活動エネルギーの総決算を、まざまざと見せつけられた。そうだ、この調子だ。お天気だけは思い通りにならないが、順調に滑り出した令和の駒場祭が、来年以降さらに発展することを願う。

(学生委員会委員長/広域システム科学/宇宙地球)

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