HOME総合情報教育プログラム教養学部 前期課程前期課程の概要

最終更新日:2016.04.20

前期課程の概要

東京大学の1、2年生は、
駒場キャンパスにある教養学部で学びます
2年間の「前期課程」では、幅広いリベラル・アーツ教育が行われます


時は1949年、東京大学に教養学部を設立するにあたって、初代の教養学部長となった矢内原忠雄(やないはらただお、後の第16代総長)はこう述べたと言われています。

『東京大学内における教養学部の位置の重さは、単に全学生数の半分を包含するという、量的比重にだけあるのではない。東京大学の全学生が最初の2年間をここに学び、新しい大学精神の洗礼をここで受ける。ここは東京大学の予備門ではなく、東京大学そのものの一部である。しかも極めて重要な一部であって、ここで部分的専門的な知識の基礎である一般教養を身に付け、人間としてかたよらない知識を持ち、またどこまでも伸びていく真理探究の精神を植え付けなければならない。その精神こそ教養学部の生命なのである。』

それから60余年の歳月が流れた今なお、東京大学の教育理念の原点はここにあります。もし、皆さんが「東京大学憲章」を読む機会があれば、そこに「東京大学で学ぶに相応しい資質を有するすべての者に門戸を開き、広い視野を有するとともに高度の専門的知識と理解力、洞察力、実践力、想像力を兼ね備え、かつ、国際性と開拓者的精神をもった、各分野の指導的人格を養成する。」という一文を見つけることができるでしょう。東京大学は、入学した皆さんが、広い視野と総合的な基礎力を兼ね備えた上で高度な専門力を身につけるよう、駒場キャンパスでの前期課程教育を重視しているのです。こうした教育の基本方針は「Late Specialization(遅い専門化)」と言い表されています。

大学の教育は社会の動きと共に変化しています。東京大学は、ダイナミックな社会の動きに即して、さまざまな角度から前期課程教育の活性化に取り組んでいます。例えば、2005年度には、最先端の研究者が専門分野の学問体系や「知」の構造を1、2年生向けに講義する「学術俯瞰講義」を開講し2006年度には、新学習指導要領で高等学校教育を受けた入学者のために、新しい教育カリキュラムを導入しました。また、2008年度からは科学・技術分野での国際的な発信力を養成するために、理系の学生を対象とした少人数クラスの英語ライティング授業「ALESS(Active Learning of English for Science Students)」が、2013年度からは文科の学生を対象としたALESA(Active Learning of English for Students of the Arts)が、そして2015年度からは文・理すべての学生を対象として英語で論理的かつ流暢に議論ができるようなスピーキング力の涵養を企図したFLOW (Fluency-Oriented Workshop)がスタートしています。

前期課程概要新しい教育プログラムに加えて、充実した学修環境づくりにも力を入れてきました。2006年度には、舞台芸術や音楽実習のための演習室、課外活動のための施設を備えた「駒場コミュニケーション・プラザ」が開館し、駒場キャンパスの雰囲気が大きく変わりました。2011年度には、ICT(Information and Communications Technology)を活用した能動的な学習のためのスタジオ教室群を擁する21 KOMCEEが完成しました。
 

学びの特長

どの分野でも通用する「基礎力」を身につける

前期課程概要前期課程では、学問的なものの見方や考え方の基本を学び、将来、どんな分野に進んでも通用する基礎力を身につけるために、「基礎科目」と呼ばれる必修科目があります。文科生・理科生を問わず、外国語、情報、身体運動・健康科学を学び、異文化を理解し吸収する力、グローバル化する社会に対応できる行動力・判断力を養います。

それらに加えて、文科では、初年次ゼミナール文科、社会科学、人文科学を、理科では、初年次ゼミナール理科、自然科学を開講しています。
 

きめ細かな学習支援でキャンパス生活を充実させる

前期課程概要教養学部1、2年生の学生数は約6,640人、教員数は約360人です(2015年7月現在)。教員1人当たりの学生数は、教育の充実度合いを示す目安の一つですが、この比率が20以下の大学は世界でもあまり多くはありません。また、多くの授業で、大学院生がティーチング・アシスタント(TA)を務め、授業を補助しています。

これに加えて、教養学部では、学生相談所や進学情報センターを設置し、きめ細かく学習を支援する態勢を整えています。生活上の悩みや学習・進路に関する相談、進学先を考える機会となるシンポジウム等も実施しています。また新入生に対する特別の初年次プログラムを用意するなど、活発な学習支援を行っています。

基礎科目での学びをさらに自ら主体的に展開させるための素地となる能力を涵養し、専門的学びへの積極的な動機づけを図るための「展開科目」も開講されています。社会科学ゼミナール、人文科学ゼミナール、自然科学ゼミナールの3つに分類されます。
 

分野を横断した学習によって総合的な「理解力」を獲得する

tokutyou05.jpg教養教育の重要な目的のひとつは、広い観点から学問の多様性と奥行きを理解し、特定の専門分野にかたよらない総合的な視点や柔軟な理解力を獲得することです。そのために開講される「総合科目」では、「言語・コミュニケーション」、「思想・芸術」、「国際・地域」、「社会・制度」、「人間・環境」、「物質・生命」、「数理・情報」の7系列にわたって、毎学期400~500もの講義が用意されています。

その他にも、社会的課題や学際的テーマを多面的に掘り下げる講義や、体験を通じて学ぶことができる少人数クラスなど、多くの学習機会が提供されています。これらは「主題科目」と呼ばれ、学生が自由に履修できる「学術フロンティア講義」、「全学自由研究ゼミナール」、「全学体験ゼミナール」があります。自らの問題意識に基づいて履修するゼミナールは、学生の満足度が最も高い科目となっています。さらに、海外研修等の国際交流に主眼を置いた学びについても、この主題科目の区分で単位認定を行うことがあります。
 

21 KOMCEEで学びのスタイルを変える

前期課程概要東京大学に入学する皆さんにとって、教養学部で過ごす2年間は、自らの学びを「学習」から「学問」へと変えていくための期間と言えます。将来どのような専門分野進むかを決めるだけでなく、自分の学びのスタイルを確立するための大切な時期です。駒場キャンパスは、そんな学びの支援にも工夫を凝らしています。

2011年度に竣工した21 KOMCEEは、能動的・活動的な学びである「アクティブラーニング」の環境を提供します。この新しい教育棟には、討論や発表、協調学習や身体表現の授業に適したスタジオ教室、学生同士、学生と教員との交流を促すオープンスペース、レクチャーホールやカフェテリアが配置されています。さらに、地下水を利用した冷暖房システムや人工知能エネルギー管理システムによって、ゼロエネルギービル(ZEB)を目指した先進的な大学施設になっています。
 

2年間の前期課程でじっくり進路を選択する

東京大学は、文科・理科それぞれ三つの科類に入学者を受け入れます。学生は、2年間の前期課程を修了した後に、各人の適性や志望に応じて10学部にわたる50の後期課程諸学科に進学します。

前期課程2年間での学習と自己形成の結果として進学先を決める「進学選択制度」は、Late Specializationという理念に基づく本学教育制度における大きな特徴です。本学の調査によると、東大を志望した動機は「入学後に進路を選べるから」と答えた学生が多く、この制度は学生の間でも幅広い支持を得ています。

3,4年生ではさらに進んだリベラルアーツ教育を受けることができます。

総合情報