HOME総合情報研究組織教員紹介・検索新任教員紹介

最終更新日:2016.12.07

新任教員紹介

竹野 太三(タケノ タイゾウ)

所属 専攻国際社会科学専攻
学科教養学科
部会経済・統計
職名 教授
発令年月日 2019年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
Georgetown University
■学位
2003年5月 Ph.D.
■前任職
東京大学総合文化研究科 准教授

 

担当科目 ■前期課程
社会科学ゼミナール、経済 II
■後期課程
国際経済学、経済学研究II
■大学院
国際経済協力論I、国際社会科学特殊研究V

 

研究活動 ■研究分野
経済理論(国際経済学)
■研究業績
  1. (改訂電子版)経済学の基礎 価格理論  Maruzen eBook Library/BookLooper 2019年1月
  2. 経済学の基礎 価格理論 東京大学出版会 2017年9月
  3. Angel, Takeno, Wodon, "Student Migration to the United States and Brain Circulation: Issues, Empirical Results, and Programmes in Latin America" Chapter 7 "The International Mobility of Talent Types, Causes, and Development Impact", Oxford University
  4. Ludema and Takeno, "Tariffs and the Adoption of Clean Technology under Asymmetric Information," Canadian Journal of Economics, Vol. 40 (4) 1100-1117, 2007
  5. Angel, Takeno, Wodon, "Student Migration and Brain Drain: Framework and Estimation for World and Latin American Panels," Chapter 3 of “International Migration in Latin America: Brain Drain, Remittances and Development” The World Bank, 2006
  6. Angel, Takeno, Wodon, "From Brain Drain to Grain Gain: Selected Policy Options," Chapter 4 of International Migration in Latin America: Brain Drain, Remittances and Development. The World Bank, 2003
  7. Angel, Takeno, Wodon, "From Brain Drain to Grain Gain: Selected Policy Options," Chapter 4 of International Migration in Latin America: Brain Drain, Remittances and Development. The World Bank, 2003
  8. Aguilera, Takeno, Wodon (2002) "Dalton-Improving Indirect Tax Reforms in Paraguay: Simulations Using SimSIP Tax," Special Issue on Simulations for Social Indicators and Poverty. Paraguay-DGEEC, the World Bank.
  9. Takeno, "Tariffs and the adoption of clean technology,'' Georgetown University, 2002
  10. Takeno, "Protectionism and Product Standards under Asymmetric Information,'' Georgetown University, 2002
■学内での活動
教育研究データ分析室長、国際日本研究コース主任
■学外での活動
 
■その他
 

 

採用理由

竹野太三准教授の専門はミクロ経済学,より狭い意味では国際貿易論であり,主として,開発途上国からの頭脳流出・頭脳創出問題と貿易と環境問題に関する分野で顕著な業績を挙げている。


前者については,世界銀行のエコノミストとの複数の共同研究プロジェクトにおいて,奨学金の受給額や受給者数を適切に定めることによって,途上国内での進学率を高止まりさせる場合があり,一部頭脳流出が生じたとしても,全体では頭脳創出・brain gainにつながり得るという理論モデルを構築し,コロンビアとメキシコの留学生支援制度を対象に,両国から北米への留学生数の変化について,多角的な実証分析を行い,国際的にも重要な成果を挙げてきた。その結果は,英語論文として発表され,2編は世界銀行,1編はオックスフォード大学から出版され,さらに世銀を通じて両国政府に政策提言として報告された。


後者については,「貿易政策は,当該問題解決のための間接的な手段でしかなく,本来は有効な手段ではないが,適切な変更(調整)を施せば,有効な解決手段たり得る。」という先行研究の主張が,非対称情報と不完全競争を取り入れたとき,崩れ,独占的競争を前提とするとき,非対称情報の要因を外した場合にも,同様の結果が成立することを示す新しい論理を導く重要な業績を挙げている。この分析結果は,著名な査読付国際学術雑誌であるCanadian Journal of Economicsに掲載され,大きな反響を呼んだ。


その後も,竹野准教授は,これらの理論モデルの考察を深化させ,非対称情報下における理論分析が確率空間を対象とし,独占的競争における理論分析が測度空間を対象としているだけであり,経済学的枠組みは全く異なるものの,ゲーム理論としては,両者は根本的に同一の問題であることを示している。その研究成果は,近々,発表される予定であり,今後も理論的に重要な貢献が期待されている。


教育面では,PEAK—JEAプログラム向けの英語科目の他に,前期課程では「経済II」,後期課程では必修科目「国際経済」と「経済学研究」,そして大学院の「国際貿易論)」を担当されており,いずれもわかりやすく丁寧な説明が学生・院生から高く評価されている。さらに,竹野准教授は,2017年,優れた教科書「経済学の基礎:価格理論」(東大出版会)を著した。この書は,初学者から高度なジェネラリストを対象とした教科書であると同時に,学会展望を追求した研究書としても評価されるべきものである。例題の中には大学院レベルのものも多い一方で,その解説は,熱意ある前期課程生にも理解できるよう,途中の式の導出を省かず,その解釈とともに丁寧に紹介している。以上の点から最新の教科書として,きわめて高い水準にあるものとして,関係者から高く評価されている。


行政面でも,竹野准教授の貢献はきわめて大きく,英語による専門教育の展開と教育研究データ分析室・室長として,駒場になくてはならない要として,大きな存在となっている。現在はPEAKの後期課程プログラム(JEA)の主任を担当し,プログラム運営がより効率化のためのシステム構築に尽力し,大きな成果を挙げている。また,教育研究データ分析室・室長として,学事歴の変更にともなう,進振り対象者の履修行動の統計的分析を行い,制度変化にスムーズに対応できるようなメカニズムの構築に大きな貢献を果たした。また,学生の履修行動の分析などを通じて,進学振り分けの制度変化に対応するメカニズムのデザインなどの分野でもファカルティ・デベロップメントに寄与してきた。


このように,竹野准教授は,JEAプログラムや統計分析など,余人をもって代えがたい任務を含め,すべての業務に常に真摯な態度で取り組まれるだけでなく,革新的な成果を挙げてきた。その人柄も,温和で誠実である一方で,多くの教員にとって頼りになる存在となっている。


以上の諸点から,たとえ公募を実施したとしても,竹野准教授以上の適任者を獲得することは望めないと判断し,同氏の教授昇任を決定した次第である。

 

新任教師一覧へ戻る

教員紹介・検索