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最終更新日:2016.12.07

新任教員紹介

馬路 智仁(バジ トモヒト)

所属 専攻国際社会科学専攻
学科教養学科
部会社会・社会思想史
職名 准教授
発令年月日 2019年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
University of Cambridge
■学位
2016年3月 Ph.D.
■前任職
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻 助教

 

担当科目 ■前期課程
■後期課程
■大学院

 

研究活動 ■研究分野
社会思想史(国際関係思想史)
■研究業績
  1. 「大西洋横断的な共鳴―アルフレッド・ジマーンとホラス・カレンの多文化共生主義」『社会思想史研究』第41号、2017年9月、pp. 74-92
  2. 「大ブリテン構想と古典古代解釈―E.A. フリーマンとアルフレッド・ジマーンのギリシャ愛好主義」『政治思想研究』第17号、2017年5月、pp. 327-359.
  3. “Zionist Internationalism?: Alfred Zimmern’s Post-Racial Commonwealth,” Modern Intellectual History, Vol. 13, No. 3 (2016), pp. 623-651.
  4. 「それゆえコモンウェルスへ身体を捧げた―アルフレッド・ジマーン『ギリシャの共和国』と帝国共和主義」『年報政治学』第66巻第1号、2015年6月、pp. 191-212.
  5. 「アルフレッド・ジマーンの国際的福祉社会の構想―ブリティッシュ・コモンウェルス、国際連盟、環大西洋的共同体の思想的連環」『国際政治』第168号、2012年2月、pp. 16-29.
  6. 「越境的空間へ拡がる『福祉』―レオナード・ホブハウスにおける連関的な社会秩序の構想」『社会思想史研究』第34号、2010年9月、 pp. 104-121.
  7. 寺尾範野/馬路智仁 「ニューリベラリズム―有機的社会観に基づく社会統合の構想」佐藤正志/ポール・ケリー編著『多元主義と多文化主義の間―現代イギリス政治思想史研究』早稲田大学出版部、2013年、第一章(pp. 43-67)
  8. “Review of Robert Vitalis, White World Order, Black Power Politics: The Birth of American International Relations (Ithaca, NY: Cornell University Press, 2015),” Political Studies Review, Vol. 15, No. 1 (2017), pp. 160-161.
  9. “Review of Jeanne Morefield, Empires Without Imperialism: Anglo-American Decline and the Politics of Deflection (New York: Oxford University Press, 2014),” International Affairs, Vol. 90, No. 5 (2014), pp. 1203-1205.
  10. “Review of Glenda Sluga, Internationalism in the Age of Nationalism (Philadelphia, PA: University of Pennsylvania Press, 2013),” Cambridge Review of International Affairs, Vol. 27, No. 2 (2014), pp. 395-397.
■学内での活動

馬路氏の研究は、ケンブリッジ大学に提出した博士論文の主題であるアルフレッド・.ジマーンの「グローバルなコモンウェルス」のスキームをめぐる政治思想(Palgrave Macmillanから公刊予定)を中心に、19世紀後半から20世紀前半におけるイギリスのリベラル国際主義の理念や伝統に関する壮大なプロジェクトによって特徴づけられる。その内実は、(1)E.A.フリーマンやジマーンの古典古代理解を再定位することを通じて、彼らの帝国理念および帝国主義の理想がどのようなものかについて掘り下げる研究、(2)国際政治学の創始者のひとりであるとともに、国際連盟の設計にもたずさわったジマーンによって提示された福祉社会構想の国際政治思想上の特質に迫る研究、(3)ニューリベラリズムを説いた思想家として著名なL.T.ホブハウスの「リベラルな」帝国主義構想の特質を明らかにする研究、以上の3つから成る。こうした馬路氏の一連の研究は、国際関係思想史・社会思想史研究において抜け落ちていた19世紀後半から20世紀前半の思想研究を補ってあまりあるものであり、今後の同時期をめぐる国際政治・社会思想史研究において無視できない貴重な研究として高く評価されるものとなっている。  くわえて馬路氏のこうした研究は、社会福祉や多文化主義、移民といった現代において鍵となる理念や構想と深く関係していることから、グローバルな政治・社会思想史・知性史研究にとどまらない広がりと多様性を潜在的に有している。それゆえ、政治思想や(国際)政治学といった狭いディシプリンを超えた学際的な研究との接合や、そうした研究プロジェクトを共同研究として発展させ、そのアウトプットを国際共著論文・書籍として発表するなども期待でき、人文社会科学の新たなる知的展開を担いうる研究者として、今後の活躍が大いに期待される。


教育面でも馬路氏は、優れた実績を残してきた。実際、これまで助教として勤務した早稲田大学などにおいて、英語でおこなうものも含め、多数の授業を担当してきた。2018度は国際関係論コースの助教として教育活動を行っており、十分な教育実績を有している。それゆえ、グローバル・スタディーズ・イニシアチブにおける英語での授業や留学生の指導においても、氏はその優れた能力と意欲によって、おおいに貢献することが期待できる。また、社会・社会思想史部会の一員として、その思想史領域の講義や演習、学生の指導を担うことのできる能力を十二分に備えていると言える。くわえて、馬路氏は内外の学会で活躍しており、多くの共同研究にも従事している。人柄は真面目で温厚、非常に誠実で謙虚な人物であり、これまで接した教員や友人、後輩などからきわめて深い信頼を得ている。


以上から、馬路氏は本学の准教授にふさわしい人物であると判断される。

■その他
一高記念賞(2008)、社会思想史学会研究奨励賞(2017)、政治思想学会研究奨励賞(2017)

 

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