HOME総合情報研究組織教員紹介・検索新任教員紹介

最終更新日:2016.12.07

新任教員紹介

井上 博之(イノウエ ヒロユキ)

所属 専攻地域文化研究専攻
学科教養学科
部会英語部会
職名 講師
発令年月日 2019年9月 1日

 

略歴 ■最終学歴
アリゾナ大学大学院・英語英米文学科
■学位
2017年12月 Ph.D. (English)
■前任職
和洋女子大学人文学部 助教

 

担当科目 ■前期課程
英語一列、総合科目L
■後期課程
特殊研究演習VIIIb、共通英語など
■大学院
北米・中南米地域文化演習Iなど

 

研究活動 ■研究分野
米文学、映画
■研究業績
  1. “‘A Southern California Beach That Never Was’: Adapting the Noir City in Inherent Vice.” Gengo Bunka, no. 36, 2019, pp. 203-217.
  2. Southwestern Cartographies: The Poetics of Space in Contemporary Narratives of the U.S. Southwest. 2017. U of Arizona, PhD dissertation.
  3. “The Hi Lo Palimpsest: Remapping the West(ern) in Bobby Jack Smith, You Dirty Coward!” Journal of the American Literature Society of Japan, no. 14, 2016, pp. 69-85.
  4. “Small-Town Depression: Topography of Entrapment in The Last Picture Show.” Language and Information Sciences, no. 14, 2016, pp. 107-23.
  5. 「国境線上のカウボーイ——コーマック・マッカーシー『すべての美しい馬』試論」『言語情報科学』第8号、2010年、183—99頁。
  6. 「生きのびた者たちの物語——コーマック・マッカーシー『老いた者の住む国ではない』における戦争と死者の記憶」『比較文学・文化論集』第27号、2010年、1—8頁。
  7. マーク・カリー「時間を操作する——『わたしを離さないで』」田尻芳樹、三村尚央編『カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読む——ケアからホロコーストまで』水声社、2018年、145—166頁。(翻訳)
  8. マーク・ジャーング「生に形態を与える——クローニングと人間についての物語をめぐる期待」田尻芳樹、三村尚央編『わたしを離さないで』を読む——ケアからホロコーストまで』水声社、2018年、19—54頁。(翻訳)
  9. 「コーマック・マッカーシー『越境』における線が描く物語空間」日本アメリカ文学会東京支部例会現代散文分科会、慶應義塾大学三田キャンパス、2016年6月25日。(口頭発表)
  10. “‘Five Hundred Year Map’: History and Counter-Mapping in Almanac of the Dead.” Western Literature Association, Reno, Nevada, October 16, 2015.(口頭発表)
■その他
Arizona Quarterly Essay Prize (2015)

 

採用理由

井上博之氏の専門は米国文学で、特に米国南西部の文学と文化を中心に研究を進めてきた。2017年に提出された博士論文 “Southwestern Cartographies: The Poetics of Space in Contemporary Narratives of the Southwest” は、現代の南西部及び米墨国境地帯を舞台とした小説や映画を取り上げ、地図や文学地理学に関する諸理論を援用しながら、空間や場所と物語との相関関係を分析したものである。ラリー・マクマートリー、マックス・エヴァンズ、レスリー・マーモン・シルコウ、コーマック・マッカーシーの小説や、ピーター・ボグダノヴィッチやコーエン兄弟監督の映画作品など、1960年代から70年代の「ポスト・ウェスタン」と呼ばれる作品を対象に、井上氏はテクストを精読し、物語が空間をどう構築するかを精査する。そして、古典的なウェスタンが、小説や映画を通じて作り上げ流布させてきた西部のイメージの陰に、権力のヒエラルキー、人種・民族的多様性、ジェンダー関係、あるいは停滞や循環といった抑圧され、排除されてきた要素が存在することを明らかにしている。そのテクスト分析は、極めて緻密、かつ独自性に富んでおり、同時に井上氏が空間や時間に対する卓越した感受性を持っていることを存分に証明している。また、文学と地域研究とを架橋する優れたパースペクティブからは、ボーダーランド・スタディーズ(境界地帯の研究)への多大な貢献も期待される。博士論文に加えて発表された学術論文や翻訳からは、氏の堅実な仕事ぶりが窺われる。


教育面では、本学部助教として英語科目を教えた経験があるほか、米文学史基礎講義、近代と小説、映像文化など幅広い分野での教育実績もある。文学、映像、音楽を駆使した、学生の関心を引き付けるような授業の展開が期待される。また真面目で温厚、誠実な人柄であることは、これまで同僚として仕事をしてきた教員からも太鼓判を押されている。


以上のように井上博之氏は研究面でも教育面でも高い将来性を持つ得難い人材であり、本学の専任講師として採用するにふさわしい人物であると判断される。

 

新任教師一覧へ戻る

教員紹介・検索