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最終更新日:2016.12.07

新任教員紹介

鈴木 貴之(スズキ タカユキ)

所属 専攻相関基礎科学系
学科学際科学科
部会哲学・科学史
職名 准教授
発令年月日 2017年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
東京大学大学院・総合文化研究科
■学位
2005年12月 博士(学術)
■前任職
南山大学人文学部 教授

 

担当科目 ■前期課程
哲学Ⅰ、科学哲学
■後期課程
科学哲学演習Ⅱ、応用倫理学概論
■大学院
科学哲学 IV、科学技術基礎論Ⅳ

 

研究活動 ■研究分野
科学哲学
■研究業績
  1. 『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう: 意識のハード・プロブレムに挑む』勁草書房、2015年
  2. 「われわれは何を経験しているのかー知覚と思考、概念、意識研究の方法論」信原幸弘・太田紘史編『シリーズ 新・心の哲学II意識篇』勁草書房、2014年、pp.131-175
  3. 「身体化された心は人類学を変えるか?」菅原和孝編『身体化の人類学—認知・記憶・言語・他者』世界思想社、2013年、pp.127-151
  4. 「社会脳研究と自由意志の問題」苧阪直行編『道徳の神経哲学—神経倫理からみた社会意識の形成』新曜社、2012年、pp.25-51
  5. 「脳と社会−自由意志と責任をめぐる実践のゆくえ」霜田求・虫明茂編『シリーズ生命倫理学12 先端医療』丸善出版、2012年、pp.194-219
  6. 「自由意志:常識的な見方を問い直す」信原幸弘・原塑・山本愛実編『脳神経科学リテラシー』勁草書房、2010年、pp.61-79
  7. 「脳神経科学から見た刑罰」信原幸弘・原塑編『脳神経倫理学の展望』勁草書房、2008年、pp.255-281
  8. 「概念と方法」『岩波講座哲学05 心/脳の哲学』岩波書店、2008年、pp.231-252
  9. 「哲学における直観の信頼性」『中部哲学会年報』中部哲学会、第48号、2016年、pp.126-139
  10. 「「心の理論」とは何か?」『科学哲学』日本科学哲学会、第三十五号、2002年、pp.83-94
■その他
柿内賢信記念賞奨励賞(2009)

 

採用理由 鈴木貴之氏は心の哲学の領域で重要かつ広範な研究を行ってこられました。鈴木氏の研究の特徴は、心に関する科学的な成果、すなわち認知科学や脳科学の成果を積極的に参照して、心をいかにして物理的な自然の中に位置づけるかという「心の自然化」の問題に精力的に取り組んできたという点にあります。この研究の成果が結実したのが『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』という単著です。本書は心と身体ないし物質との関係を問う心身問題のなかでも最難関とされる「意識のハード・プロブレム」を主題とするものです。この問題に対して従来、最も有力だとされてきたのは、「意識の表象理論」とよばれる理論ですが、鈴木氏は、この理論の欠陥を巧みにあばきだし、独自の見解を打ち立てています。従来の理論によれば、意識経験は表象にほかならないとされますが、鈴木氏は、表象にはじつは「本来的表象」と「派生的表象」の二つの種類があり、意識経験はこのうち本来的表象のほうだけであることを明らかにしています。また、これと関連して、意識経験において「経験される性質」というのはすべて「物理的性質」とは異なるという独自な主張を展開し、そのうえで「経験される性質」を物理的世界のなかに位置づけるという困難な作業を巧みに遂行しています。このほかにも、鈴木氏は、責任と自由意志の問題や他者理解の問題など、心の哲学の諸問題全般についても、重要な研究成果を挙げておられます。

教育においては、すでに前任校で多年にわたり、多くの学部教育を行ってきておられます。生命倫理学、脳神経倫理学、科学論などについて、具体的な事例や関連する科学研究の紹介を通じて日常生活との関連を実感できるようによく工夫した授業を行っておられ、豊富な授業経験をお持ちです。また、本学での大学院教育については、これまでの優れた研究を活かして、刺激的な授業を行っていただけるものと期待されます。

人柄は、誠実かつ温厚であり、前任校において大学運営に関わる多くの重要な仕事を着実に遂行しておられます。

以上の理由により、鈴木氏は広域科学専攻相関基礎科学系(後期課程は学際科学科、前期課程は哲学・科学史部会)の准教授に採用するに相応しい人物であると判断しました。

 

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