教養学科・総合社会科学分科
相関社会科学コース
相関社会科学コースは、1978年に創設された旧相関社会科学分科の教育ならびに研究を発展的に継承するものである。本コースは、社会科学の基礎的領域である法、政治、経済、社会、文化などについての学問的知識を横断的に学ぶことにより、現代の社会現象を総合的に理解することを目的としている。それは「グローバル化時代のリベラル・アーツ」として、変貌する時代の最先端を切り開く試みともいえよう。
社会科学を学際的に学ぶことのメリットは、たとえば次のような点にある。
(ア)現代社会の変容に由来する先端的な問題、新しいテーマ群は、従来の縦割りの学問では、ディシプリンの制約から取り上げにくいことが多いが,それらの問題意識を禁欲することなく展開すること。たとえば、環境問題、ジェンダーやフェミズム、情報化社会などについて、本コースでは、旧分科の時代から、いち早く具体的な成果を蓄積してきた。
(イ)縦割りの学問体系では周辺的な位置付けになりやすい諸領域の連結と総合。たとえば、駒場ならではの、社会思想・公共哲学(政治思想、法哲学、経済思想、宗教哲学などを含む)の領域の修得。社会科学の諸領域を横断して、社会調査、多様な情報の数理・統計的処理、コンピュータ解析などの技法を集中的に修得できること、など。
相関社会科学コースで行われる具体的な研究・教育のテーマはきわめて多様で要約は困難であるが、次のようなものを重点的な研究テーマとしている[( )内は対応する授業科目]。
- 高度産業社会における政策過程(社会システム論、公共政策など)
- 政策科学(相関社会科学基礎論II、環境社会科学など)
- 現代社会と組織の比較研究(現代社会論I・IIなど)
- 現代経済の広域分析(現代経済学演習、社会経済学など)
- 公共哲学と市民社会論(公共性の哲学、社会思想研究など)
- 文化と社会意識(相関社会科学基礎論I、社会意識論など)
相関社会科学コースのカリキュラムは、必修科目が他の分科・コースに比して少なく、選択の自由度が大きいことが特徴である。各人が自分の研究目的に応じて個性的な履修計画を編成することができる。また小人数授業が大半であり、学生と教員の、また学生相互の交流が密であることは、他にはない本コースの大きな特徴の一つである。
また、相関社会科学の応用・実習編として、地域コミュニティに関する社会調査を行っている。旧分科時代から、これまでに、熊本県小国町、兵庫県神戸市、新潟県大和町、東京都世田谷区などで実施し、成果を研究報告書として発表してきた。多数の学生が正規の授業科目(=「地域社会分析」、「地域社会分析演習」、同「実習」)として履修しており、研究報告書の執筆も担当している。参加者にとって楽しい交流の場であるとともに貴重な経験となっている。
なお、本コースでは、旧分科時代の2009年度より、文学部・社会学専修課程、教育学部・総合教育科学科・比較教育社会学コースと同様、この社会調査を含め、所定の科目を履修すれば、卒業と同時に、社会調査協会の認定する「社会調査士」資格が取得できるようになった。
【コース】
| 相関社会科学 | 国際関係論 |
※相関社会科学コース・国際関係論コース、両コースの共通事項は、国際関係論コースの紹介ページをご覧ください。
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