国際社会科学専攻
現代世界において、グローバリゼーションとともに各国間の相互依存がかつてないほど進行しつつある。資本が世界をかけめぐり商品やヒトも国境を越え移動するなかで、民族や宗教の対立が頻発する一方、地球環境保全や資本市場の安定化については協調が試みられもする。そうした現状においては、社会の分析もまた一国の国境の内部に閉ざされては完結しえず、国境をまたぐことが必然となっている。またたとえば経済事象を分析するに当たっても、それが社会や政治・文化の制約を受けるのみならず逆に影響を与えもするため、非経済的要因を与件として考察の対象から切り離すのは非現実的である。つまり一個の社会現象は、国際的な側面に留意しつつ、経済と社会、政治、文化等の領域の境を超え複合的に分析されねばならない。こうした観点から国際社会科学専攻では、現実の分析において国と国の関係、分析枠組みにおいて社会科学各領域の相関に焦点を当てつつ、現代社会の分析を試みている。