HOME総合情報教育プログラム教養学部 前期課程ALESS/ALESA

ALESS/ALESA

一年生のためのアカデミック・ライティング・コース
ALESS (Active Learning of English for Science Students)

ALESA (Active Learning of English for Students of the Arts)

欧米に追いつき追い越すことを目標に掲げた「近代化」が終焉を迎えて久しい今日、科学技術や社会・文化に関する知識や思想はもはや海外から学びとるのみのものではなくなりました。知識はグローバルな地平において共に創出し共に享受すべきものとなったのです。近代化からグローバル化という大きな時代の変化に即応して、英語という外国語学習の役割と形態もまた変わらざるを得ません。近代化においては海外の知見をいち早く学びとることが重要で、そのために「読解・翻訳」という受動的な能力の養成に焦点が当てられました。今日のグローバル化に際しては、しかし、世界の人々と共に議論し世界の人々に創見を説くことが求められ、そのためには「書く・話す」という能動的(アクテイヴ)な能力の涵養が必要になります。

能動的「書く・話す」英語能力といっても、和文英訳を主とした「英作文」では用を足さず、「コミュニケーション」も日常会話程度では意味がありません。東京大学で従来の「英作文」に代わって求められるのは、学術論文作成法の基礎(分析的思考、論理的文章構成、また説得力ある表現法)をシステマティックに形式化し(「アカデミック・ライティング」)、その形式を、実際に研究を行いながら、応用して身につけていくことに他なりません。単なる「コミュニケーション」に代わって必要とされるのは、思考・発言の論理的構築であり、議論における対等を旨とする倫理観なのです。

2008年4月にスタートしたALESS(Active Learning of English for Science Students)プログラム、そして2013年4月に始まったALESA(Active Learning of English for Students of the Arts)は、これらの要請の実現を目指しています。ALESSとALESAは1年生全員が夏学期か冬学期のいずれか1学期間履修しなければならない必修科目です。ネイテイヴ・スピーカーが担当する少人数クラス(1クラス15名程度)の授業であり、独自に開発されたカリキュラムに基づき、プログラム・マネージング・ディレクターのコーディネーションの下で運営されています。

理科生(理科I、II、III類)全員が履修するALESSでは、受講生が自ら考案・実施する科学実験を題材にしてIMRaD(Introduction, Methods, Results, and Discussion)という、世界標準の形式にそって論文を執筆します。また、国際研究会議などの参加に必要な口語発表や質疑応答のスキルも身につけます。一方、文科生(文科I、II、III類)全員が履修するALESAでは、様々な学術テーマや文章形式で論理的な文章を執筆し、高度なプレゼンテーションやディスカッションを行う方法を学びます。

2011年4月からは、ALESS実験に関して学生をサポートする ALESS Lab も開設され、すでに設置され活動を開始している KWS(Komaba Writers' Studio)という「ライティング・センター」とともに授業支援体制の充実に努めています。後者では、大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻に開設された英語教育プログラムにおいてアカデミック・ライティング教授法の理論と実践の特別な訓練を受けた常駐TA(ティーチング・アシスタント)が、ALESSとALESAの受講生に個別指導を行っています。また2011年度からは、毎学期提出される学生論文の選集 ALESS: A Collection of Student Papers を公刊しているほか、2012年には Active English for Scienceと題する教科書(東京大学出版会)も出版されています。今後、ALESAにおいても様々な成果を発信する予定です。

関連リンク

グローバルコミュニケーション研究センター(CGCS)ホームページicon_window.gif

ALESS/ALESA/FLOWホームページicon_window.gif

総合情報