HOME総合情報教育プログラム教養学部 前期課程前期課程教育と進学選択

前期課程教育と進学選択

前期課程においては、リベラル・アーツ教育を重視し、特定の専門分野に偏らない広い視野と総合的な判断力を養うために、専門分野にとらわれない幅広い教育を行うLate Specializationと、専門課程に進むために必要な知識や知的技能を身につけさせ、専門的なものの見方や考え方の基本を学び取らせるEarly Exposureを教育の2つの柱としています。そのために、授業科目は基礎科目、展開科目、総合科目、主題科目の4層から構成されています。

基礎科目は各科類に応じて定められており、幅広い専門分野に適用する基本的な知識と技能と方法を習得します。文科生は外国語、情報、身体運動・健康科学実習、初年次ゼミナール文科、社会科学、人文科学の6科目、理科生は外国語、情報、身体運動・健康科学実習、初年次ゼミナール理科、自然科学(基礎実験、数理科学、物質科学、生命科学)の5科目がそれぞれ必修になっています。

展開科目は、基礎科目の履修を前提として、高度な内容に踏み込むために必要な学問研究の方法と発想を、より深く身につけてもらうことを目標とする授業群です。この任意選択の授業群には社会科学ゼミナール、人文科学ゼミナール、自然科学ゼミナール、文理融合ゼミナールの4種類があり、少人数クラスを編成して、各教員が専門を生かして提供する内容で分析、実習、発表、議論を行います。

総合科目は、現代において共有すべき知の基本的枠組みを多様な角度・観点から習得して総合的な判断力や柔軟な理解力を養うための授業群です。大学レベルの研究・教育を前期教育に還元するために、先端的なトピックが扱われますが、いわゆる専門科目の前倒しではなく、学問の多様性と奥行きを理解し、総合的な視点や柔軟な判断力を養うことを目的としています。

主題科目は、さまざまな専門分野と学問的アプローチへの導入に主眼をおいた授業群です。カリキュラムの枠を越えて時宜に適った問題について授業を提供し、それぞれ関心のある学生が参加することによって、各専門分野に対する深い問題意識と動機付けを身につけることを目的としています。複数の教員によって行われるオムニバス形式の「学術フロンティア講義」、全学のさまざまな学部・大学院、そして研究所の教員によって開講される少人数クラスの「全学自由研究ゼミナール」、体験を通して学ぶ機会を提供する「全学体験ゼミナール」、そして事前の学修を踏まえて海外で数週間の研修を行う「国際研修」から構成されています。本学附属の演習林や博物館・美術館で自然や文化に直接触れたり、学内外でボランティア活動をしたり、研究室で先端的な研究や研究装置に触れる、あるいは海外の大学で授業に参加するなど、学生が主体的な取り組みを深めていくことが求められています。

前期課程でこうした科目を受講し、さまざまな学問領域に触れた上で、2年次のSセメスターの成績確定後、3年次に進学する後期課程の学部学科の内定を行います。これを「進学選択」と呼んでいます。教養学部前期各科類から後期課程各学部・学科への進学先は、おおよそ下記に図示したようなものです。進学先の各学部や学科は、教養学部前期課程で学んできて欲しい科目を指定している場合があります。これを、要望の程度に応じて、要求科目、要望科目といっています。各学部は、科類を指定しないで(つまりどの科類からも)、それぞれ一定数の進学を許しています。例えば理科各類から経済学部や文学部へ進学するというようなことが可能です。これを全科類枠といいます。ただし、進学先の学部・学科が要求科目を指定している場合は、その修得が必要です。希望する学科への進学は、ひとえに前期課程における学修にかかっているということを、強調しておきたいと思います。

東京大学は、学問の発達や社会からの要求の程度に応じて、多様な学修と進路の選択が可能になるように、できるだけ柔軟な学びのシステムを構築するように努力しています。しかし、幅広い選択の自由は、「苦手」を避けるためや、楽をして卒業するためではなく、皆さん自身が広がりのある深い知識を得るため、また強靱な思考力を涵養するためにあります。高校においても、特定の科目を苦手意識から避けるのではなく、積極的に多様な科目を履修するように心がけて下さい。

東京大学では、後期課程各学部・学科においても、皆さんを基礎から最先端へ至る道へと導くべく、多様で高度な授業科目を用意しています。それらについては、後期課程の概要をご覧ください。

科類と学部進学との関係

所属している科類に応じて
後期課程で進む学部の大枠が決まっています


前期課程の科類と後期課程の学部の基本的な対応関係は下記の表の通りです。文科一類から法学部、文科二類から経済学部、理科三類から医学部医学科へ進学する際にも、成績により進学選択が行われます。なお、下記の表に記されていませんが、すべての科類からどの学部にも進学できる枠も設けられています。

前期課程科類(1~2年)主たる後期課程学部(3~4年)
文科一類 法学部
教養学部
文科二類 経済学部
教養学部
文科三類 文学部
教育学部
教養学部
理科一類 工学部
理学部
薬学部
農学部
医学部
教養学部
理科二類 農学部
薬学部
理学部
工学部
医学部
教養学部
理科三類 医学部

総合情報