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最終更新日:2020.04.03

新任教員紹介

王 欽(オウ キン)

所属 専攻地域文化研究専攻
学科教養学科
部会中国語
職名 准教授
発令年月日 2021年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
New York University, Department of Comparative Literature
■学位
2017年5月 Ph.D.
■前任職
東京大学総合文化研究科東アジアリベラルアーツイニシアティヴ 特任講師

 

担当科目 ■前期課程
中国語
■後期課程
文化社会論、世界文学と東アジア
■大学院
多元世界解析演習

 

研究活動 ■研究分野
比較文学
■研究業績
  1. “Literature, Powerlessness, and Modernity: A Reading of Takeuchi Yoshimi’s ‘What Is Modernity?’” positions: asia critique. Vol. 29, Issue. 2 (Spring 2021)
  2. “希望的政治学:重读鲁迅《故乡》”,《中国现代文学研究丛刊》2021年2期――中国語論文、査読あり
  3. “‘欧洲公法’的精神与形式——施米特《大地的法》中的两条线索”,刘小枫主编:《〈大地的法〉与现代国际政治》,三联书店出版社2021年――中国語論文
  4. Configurations of the Individual in Modern Chinese Literature, London: Palgrave Macmillan, 2020
  5. “Nature, Contingency, and the Limit of Socialist Literary-Artistic Practice: A Review of Zhu Yu’s Socialism and ‘Nature’.” Frontiers of Literary Studies in China, Volume 14, Issue 3 (2020)
  6. “社会的强伦理与‘世界’的弱伦理:评新海诚《天气之子》”,《中国图书评论》2020年4期――中国語論文、査読あり
  7. “Constitution and Literariness: Takeuchi Yoshimi’s Critique of the Postwar Japanese Constitution,” Telos 189 (Winter 2019)
  8. “迈向一种非政治的政治——鲁迅晚期杂文的一个向度:以《阿金》为中心”,《文学评论》2019年1期――中国語論文、査読あり
  9. 德里达:《野兽与主权者》卷一,西北大学出版社2021年(翻訳)
  10. 德里达:《赠予死亡》,西北大学出版社2018年(翻訳)

 

採用理由

王欽氏は、近現代中国文学をベースとして、フランス現代思想や日本近現代思想などを横断する比較文学研究の幅広い視野を有する研究者である。ニューヨーク大学に提出した博士論文は、2020年1月に単著Configurations of the Individual in Modern Chinese Literatureとして、Palgrave Macmillan出版社より刊行されている。氏は、「個」の存在が文学的に表象されるディスコースの全体を、動的な生成の構造であると捉え直し、五四新文化運動から社会主義革命へと向かった中国におけるモダニティのダイナミズムを、近代的個人主義そのものへの適応の歴史とは異なるものとして描く。こうした試みにおいては、竹内好を中心とする日本の思想家が重要な参照枠とされており、英語、中国語、日本語でそれぞれ行われ、相互の参照が不十分であった当該分野における研究の地平を一気に立体的に統合することに成功している。

また、王欽氏はフランス現代思想の研究においてもすぐれた成果を有している。とりわけ、ジャック・デリダの『死を与える』をフランス語から中国語に翻訳して2018年に中国で刊行しており、中国語読者に対するフランス現代思想の紹介者の一人としても活躍している。概して、王欽氏の研究は、欧米の批評理論を東アジアに機械的に移設することにとどまるのではなく、中国と日本の近代をベースとした新たな批評理論を構築しようとするものだと言える。

教育面においては、すでにニューヨーク大学で学部生向けにテキスト講読の授業を担当しているほか、教養学部においても東アジア藝文書院の開設する学融合プログラム「東アジア教養学」などで教鞭を執っており、今後の本研究科・学部における教育においてはさらなる貢献を果たすものと期待される。

総じて、王欽氏は、今後長きにわたって駒場の研究と教育を世界的な水準でリードしていくことのできる高いポテンシャルを有する優れた若手研究者であると言える。

 

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