HOME総合情報研究組織教員紹介・検索新任教員紹介

最終更新日:2020.04.03

新任教員紹介

藤崎 衛(フジサキ マモル)

所属 専攻地域文化研究専攻
学科教養学科
部会フランス語・イタリア語部会
職名 准教授
発令年月日 2021年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
東京大学大学院・人文社会系研究科
■学位
2011年4月博士(文学)
■前任職
上智大学文学部 准教授

 

担当科目 ■前期課程
イタリア語
■後期課程
イタリア地中海歴史社会論
■大学院
地中海文化構造論

 

研究活動 ■研究分野
歴史学(ヨーロッパ史)
■研究業績
  1. 『中世教皇庁の成立と展開』八坂書房、2013年
  2. “Franciscan Mission by Pope Nicholas III to Il-khan Abaqa”, in Katsumi Fukasawa/ Benjamin J. Kaplan/ Pierre-Yves Beaurepaire (eds.), Religious Interactions in Europe and the Mediterranean World: Coexistence and Dialogue from the 12th to the 20th Centuries
  3. 「中世ユダヤ人迫害に関する死者の記憶構築ー儀式殺人の告発と一〇九六年の虐殺をめぐって」、 池澤優/アンヌ・ブッシィ[編]、『非業の死の記憶ー大量の死者をめぐる表象のポリティックス』、秋山書店、2010、233-253頁。
  4. 「母、教師、花嫁としての中世ローマ教会」、『西洋中世研究』、第11号、2019、31-46頁。
  5. 「中世カトリック世界の重層的アイデンティティー12・13世紀の教会会議言説の分析」、『歴史学研究』、第937号、2015、171-180頁。
  6. 「13世紀教皇庁におけるセルヴィティア税の成立過程ー特にセルヴィティウム・コムーネについて」、『史学雑誌』、第115編第11号、2006、63-87頁。
  7. 「第三ラテラノ公会議(1179年)決議文翻訳」、『クリオ』、第33号、2019年5月、39-56頁[監修/訳]。
  8. 「第一・第二ラテラノ公会議(1123、1139年)決議文翻訳」、『クリオ』、第32号、2018年5月、61-80頁[監修/訳]。
  9. マリア・ジュゼッピーナ・ムッザレッリ[著]、「ボローニャのゲットー」、『クリオ』、第27号、2013年5月、65-75頁[翻訳]。
  10. ジェフリー・バラクロウ[著]、『中世教皇史』、八坂書房、2012年3月、全339+34頁 [翻訳]。
■その他
地中海学会ヘレンド賞(2014年)

 

採用理由  藤崎衛氏は一貫して西洋中世史、特にローマ教皇庁史を研究分野としてきたが、中世後期の宗教的政治的組織としての教皇庁の成り立ちにとどまらず、ヨーロッパ中世世界の生活史全般から宗教的異端運動、文化表象までを射程にいれる幅広い領域を対象としている。単著『中世教皇庁の成立と展開』は、教皇官房、教皇文書局、教皇裁判所等につき、史料『教皇庁構成員便覧』に基づいて制度・組織を解明しようとする450ページを越える学術書であり、同時に教皇庁の空間移動や経済的観点から、いわば宮廷としてのローマに生きる人々の実像を社会史的に描き出すことに成功している。さらに氏の研究の広がりと新しい視点は、いずれも多くの言語を駆使した堅実な史料研究の手法に支えられた学術論文にも示されている。「一三世紀教皇庁におけるセルヴィティア税の成立過程」は、転換期の教皇庁の財源確保の手段として設けられたセルヴィティア税の慣行が成立する過程に関し、教会組織内部の事情に加え、イタリア商人の果たした重要性についても注目して明らかにするものであり、英文論文“Franciscan Mission by Pope Nicholas III to Il-khan Abaqa”においては、教皇庁とモンゴル帝国との交流について論じる。さらに、「母、教師、花嫁としての中世ローマ教会」は、男性中心主義的なカトリック教会において、教会が女性として擬人化されたことに着目し、それがいかに教皇庁の改革と普遍性を高めることに連動していたかを示そうとするものである。単著のほか共著書15点はじめ多数の学術論文・エッセーがあり、英語・ラテン語・イタリア語等からの翻訳12点に加え、欧文論文、国際シンポジウム等での発表の経験も積んでいる。  教育歴は豊富で、学部および大学院で西洋中世史に関する講義や演習として、「西洋史概論」「西洋史概説」「キリスト教の歴史」等の幅広い科目を担当してきた。前期教育においてはイタリア語を担当する予定だが、ラテン語、フランス語などの他のラテン系言語にも精通した言語的・文化的知識をもち、イタリアをはじめとするヨーロッパ各国での留学経験と学術的ネットワークを有する藤崎氏は、人文学研究者としての知見を広く活かした駒場の外国語教育を担うにふさわしい。また大学内の専門分野にとどまらない学際的学会運営や学術誌編集委員の経験も重ねていて、国内外の研究者コミュニテイーをコーディネートする高い実務能力と、異分野の同僚や学生と協働して現実に対処できる柔軟で穏やかな人柄が、高く評価されている。  以上のように、藤崎衛氏は研究面においても教育・行政面においても、優れた能力と申し分のない実績を示しており、本学の准教授として迎えるにふさわしい人材であると判断される。

 

新任教師一覧へ戻る

教員紹介・検索