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最終更新日:2020.04.03

新任教員紹介

渡辺 美季(ワタナベ ミキ)

所属 専攻超域文化科学専攻
学科教養学科
部会歴史学
職名 准教授
発令年月日 2014年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
東京大学大学院・人文社会系研究科
■学位
2008年2月 博士(文学) 東京大学
■前任職
神奈川大学外国語学部 准教授

 

担当科目 ■前期課程
歴史I、歴史II、総合科目、基礎演習、史料論
■後期課程
日本歴史文化論、学際日本文化論演習
■大学院
文化コンプレクシティ演習、民俗社会論

 

研究活動 ■研究分野
史学(アジア史)
■研究業績
  1. 『近世琉球と中日関係』吉川弘文館、2012年、309頁
  2. "An International Maritime Trader, Torihara Soan: The Agent for Tokugawa Ieyasu’s First Negotiations with Ming China, 1600," East Asian Maritime History, vol.15 (2008), pp. 169-176.
  3. 「琉球侵攻と日明関係」『東洋史研究』№68-3、2009年、482-515頁
  4. 「琉球館と倭館」荒野泰典ほか編『日本の対外関係6 近世的世界の成熟』吉川弘文館、2010年、217-234頁
  5. 「近世琉球の『地方官』と現地妻帯―両先島を例として―」山本英史編『近世の海域世界と地方統治』汲古書院、2010年、331-378頁
  6. 「漂流・漂着と言語―琉中関係のなかの中国語と日本語―」『歴史学研究』873号、2010年、2-13頁、75頁
  7. 「境界を越える人々―近世琉薩交流の一側面―」井上徹編『海域交流と政治権力の対応』汲古書院、2011年、259-293頁
  8. 「近世琉球の自意識―御勤と御外聞―」『歴史評論』733号、2011年、71-85頁
  9. 「朝鮮人漂着民の見た「琉球」―1662-63 年の大島―」『沖縄文化』111号、2012年、1-19頁
  10. (翻訳)グレゴリー・スミッツ『琉球王国の自画像―近世沖縄思想史―』ぺりかん社、2011年、284頁
■その他
沖縄文化協会賞(2010)、沖縄研究奨励賞(2010)、神奈川大学学術褒賞(2012)、伊波普猷賞(2013)

 

採用理由 渡辺氏の専門は近世琉球史です。琉球を中心とする当該海域史の研究は、現在多くの研究者の関心を集めているホットな分野ですが、渡辺氏は当該分野を牽引するもっとも中心的な研究者です。そこでは琉球の史料はもちろん、薩摩藩を中心とする日本側史料や、中国・朝鮮の史料などを幅広く読解し、分析する能力が求められますが、渡辺氏はそれらを自在にこなし、英文や中文のものも含め、多くの良質な研究を次々と発表しつづけています。

渡辺氏があぶり出した興味深い問題のひとつに琉球と日中両国のあいだに存在した非対称的な外交関係があります。近世の琉球が日中双方にたいし、両属的な関係にあったことはよく知られていますが、実際には中国のいわゆる中華的世界秩序にくらべ、日本の幕藩体制側の支配論理が著しく狭隘で虚構性の強いものであり、しかも日本側もそのことを自覚していたために、琉球が日中両国の板挟みになるという単純な構図をとらず、渡辺氏は「マジックミラー」という表現をとっていますが、琉球と日本が協力して両者の親密な関係を、中国側にみえないように、悟られないように、隠蔽するという非対称的な外交関係が基調になっていくことを明らかにします。さらに渡辺氏は、琉球の官吏登用試験においても、しばしば琉球船が中国に漂着したさいの外交文書の作成が出題されるなど、「隠蔽」というファクターがもはや外交上の技術であるにとどまらず、琉球の国制そのもののなかに深く浸透し、内面化されていた事実をあぶり出していきます。

渡辺氏は、最近では当該海域において琉球語・日本語・中国語がそれぞれもっていた言語の政治性の問題や、琉球に単身赴任していた薩摩藩役人に嫁いだ現地妻とその子供の処遇の問題といった社会史的なテーマにも関心を広げ、精力的に研究を続けています。

教育面では、琉球史だけでなく、日本近世史や中国明清代史にまたがる領域についても十分学生指導にあたることができ、歴史学のほか、中国語の授業経験もお持ちです。人柄も誠実で明朗快活であり、他のスタッフと良好な関係を築きつつ、教育や学内業務にも熱心に取り組んでくださるものと期待しています。

以上のように、渡辺氏は、研究、教育、人柄いずれの面においても、本研究科にお迎えするにふさわしい人材と判断いたしました。

 

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