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新任教員紹介

及川 茜(オイカワ アカネ)

所属 専攻超域文化科学専攻
学科教養学科
部会中国語
職名 講師
発令年月日 2024年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
東京外国語大学大学院・地域文化研究科博士後期課程単位取得退学
■学位
2007年3月 東京外国語大学大学院・地域文化研究科博士前期課程アジア第一専攻言語文化コース 修士(文学)
■前任職

 

担当科目 ■前期課程
中国語一列・二列、中国語中級(読解)
■後期課程
比較文学比較文化論演習I、 共通中国語(4)(精読)
■大学院
民俗社会論II

 

研究活動 ■研究分野
文学(中国文学、比較文学)
■研究業績
1.及川茜「華語語系文学の輪郭と展望」、『中華世界を読む』(奈倉京子編、東方書店、2020)、147-165頁
2.及川茜「屋根を直さないこと : 黄錦樹の創作におけるマラヤ共産党とその穴」『マレーシア研究』、7号、2019年、24-45頁
3.及川茜「家のない女たち――ロウ・イエ『パリ、ただよう花』とグオ・シャオルー『中国娘』に見られる中国人女性の移動」、『中国系新移民の新たな移動と経験――世代差が照射する中国と移民ネットワークの関わり』(奈倉京子編、明石書店、2018)、241-267 頁
4.及川茜「サラワク作家のダヤク人表象 : 李永平と張貴興を例に」、『マレーシア研究』、6号、2017年、107-129頁
5.及川茜「紅色の水先案内人 : 李永平のミューズ朱鴒をめぐって」、『中国21』、43号、2015年8月、245-264頁
6.及川茜「 日本人の性的表象――南洋を描いた中国語小説」、『記憶と忘却のアジア』(貴志俊彦、西芳実、谷川竜一、山本博之編、青弓社、2015年)、188-212頁
7.及川茜「李永平『大河盡頭』の寓意」、『野草』、94号、2014年8月、148-168頁
8.及川茜「映画に観るエクソフォニー――2000~2010年の日本映画をめぐって」、『地域研究(総特集:混成アジア映画の海――時代と世界を映す鏡)』、13(2)号、2013年3月、108-122頁
9.及川茜「身在東瀛、心在境外:初探日本人的漢文戲劇創作」、『東亞現代中文文學國際學報』、2011年12月、256-271頁
10.OIKAWA, Akane "‘Migration’ and Exophonic Writing in Dramas Translated by Tsuga Teishō", Migrations, Mobility and Globalization Proceedings of the Postgraduate Papers, 2011, pp.49-58

 

採用理由  及川氏は、中国語文学の中で周縁的な存在だった馬華(マレーシア華文)文学が、台湾で高い評価を受けるようになったことを早くに察知し、多面的な展開を見せる台湾文学の潮流を踏まえながら、馬華文学の、特に複雑な語りの構造を持つ李永平と黄錦樹の小説に関する的確な紹介と基本的な分析・解釈を提示してきた。また、文学・映画の中の中国人女性像や日本人の性的表象、エクソフォニーを縦横無尽に論じてもおり、その先端的な活動の学界に対する貢献は大である。のみならず、氏は、従来の中国語文学へのパースペクティブを刷新する「華語語系文学(Sinophon Literature)」論への理論的貢献をも行っており、マクロとミクロ両面から着実な探究ができる能力を持っている。
 馬華文学自体が21世紀現在、中国大陸中心の中国語の規範を揺さぶり、言語・文体レベルから中国語文学の可能性を広げているだけではなく、作品テーマや表現手法上も、従来の台湾文学の遺産を有効に活かしながら、大陸文学やあるいは世界文学の高い達成に接続し得る多彩な作家・作品を輩出しつつあり、及川氏はこのような馬華文学の最新の状況に対して日本で最も通暁した第一人者である。

 

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