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最終更新日:2020.04.03

新任教員紹介

逆井 聡人(サカサイ アキト)

所属 専攻言語情報科学専攻
学科教養学科
部会英語
職名 准教授
発令年月日 2021年4月 1日

 

略歴 ■最終学歴
東京大学大学院・総合文化研究科・言語情報科学専攻博士課程
■学位
2016年5月 学術博士
■前任職
東京外国語大学世界言語社会教育センター 講師

 

担当科目 ■前期課程
英語一列・総合科目L(英語中級)
■後期課程
テクスト分析演習等
■大学院
言語態分析演習

 

研究活動 ■研究分野
日本近現代文学
■研究業績
  1. 田口麻奈・逆井聡⼈「IOM同盟を中⼼とする街頭ハガキ展、詩歌原稿展および姫路原爆展をめぐる資料の整理と検証」『都留⽂科⼤学⼤学院紀要』,第24集, 1-23⾴,2020年3月
  2. 「抵抗のヒロイズムとリベラルの空回り―『新聞記者』,『主戦場』を通し て考える⽇本の⾔論状況」, 『現代思想』, 76-84⾴, 2019年10⽉
  3. 「考現学と帝国主義――今和次郎の視線について」, 『現代思想』, 114-123⾴, 2019年7⽉
  4. ⾦ヨンロン・尾崎名津⼦・⼗重⽥裕⼀編『「⾔論統制」の近代を問いなおす:検閲が⽂学と出版にもたらしたもの』, 花⿃社, 分担執筆(担当箇所:逆井聡⼈「在⽇朝鮮⼈⽂学と⾃⼰検閲―GHQ検閲と在⽇朝鮮⼈コミュニティーの狭間にいる「編集者・⾦達寿」の葛藤を考える」,⾦ヨンロン・尾崎名津⼦・逆井聡⼈・牧義之・村⼭⿓「〈ラウンド・テーブル〉⾒えざる〈統制〉に近づくために」), 2019年
  5. 『〈焼跡〉の戦後空間論』, ⻘⼸社, 2018年
  6. ʻFight for the Right to Live: Kim Tal-suʼs Novels and ʻThird Country Nationalʼ Discourse,ʼ Literary Intervention and Political Culture in South Asia, pp. 58-71, February 2018.
  7. 橋本健⼆・初⽥⾹成編『盛り場はヤミ市から⽣まれた・増補版』, ⻘⼸社,分担執筆(担当箇所:逆井聡⼈「物語のなかのヤミ市」,橋本健⼆・初⽥⾹成・⽯榑督和・逆井聡⼈・中島和也・村上しほり「ヤミ市関係⽂献・資料⽬録」), 2016年
  8. 「戦災復興と闇市 : 『20 年後の東京』と『野良⽝』にみる闇市の役割」, 『⾔語情報科学』, 13巻, 85-102⾴, 2015年3⽉
  9. 「宮本百合⼦「播州平野」をめぐる〈戦後〉の陥穽−朝鮮⼈表象、そして〈移動〉−」, 『韓国学のフロンティア』, 1号, 26-41⾴, 2014年
  10. 「⾦達寿「⼋・⼀五以後」における「異郷」の空間表象」, 『Juncture : 超域的⽇本⽂化研究』, 5号, 66-78⾴, 2014年

 

採用理由

逆井氏は日本近現代文学を専門とし、占領期に創作された文学、映画、批評言説の分析を通じて日本の戦後史を再検証する試みを研究の中核に据えてこられた。これまで博士学位論文を基にした単著の書籍1点のほか、学術論文11点(うち1点は共著)、分担執筆3点、学会等での口頭発表の数は23点に上っている。

2018年に刊行された浩瀚な著書『‹焼跡›の戦後空間論』の中で、逆井氏は‹焼跡›と‹闇市›という空間イメージが‹戦後日本›の原初的風景として参照されてきたことに着目し、その文学的表象を丹念に読み解くことによって、各々のイメージが果たしてきた役割について論じている。逆井氏によれば、‹焼跡›が単一民族主義かつ一国主義的な歴史認識を支える国民的地景として機能してきたのに対し、占領期に発表された一群の小説、とりわけ在日朝鮮人作家の作品に描かれた‹闇市›は、‹戦後日本›が忘却しようとしてきた過去の記憶を呼び覚まし、帝国日本の植民地体制と東アジア冷戦体制との連続性を示唆する空間として機能している。そうした空間から‹戦後日本›を見返すことによって、一国史的な歴史認識から脱却し、‹冷戦期日本›という新たな枠組みの中で戦後を問い直すことが可能になると逆井氏は主張する。

逆井氏にとって、こうした歴史認識の転換は、国民国家という政治体制が周縁に追いやってきた空間や歴史的事象と真摯に向き合うことを意味している。そうした空間の中で、逆井氏が特に関心を寄せているのが戦後の沖縄である。その沖縄を韓国の済州島や台湾とつなぎ、東アジア冷戦体制の本質に迫ること、また国家の枠組みに縛られない東アジアの新たな空間像を提起することが、逆井氏が現在、取り組んでおられる課題である。

逆井氏がこれまでに行なった学会等での口頭発表のうち、半数以上は英語によるものである。このことは、ご自身の研究成果を広く国内外に向けて発信し、国際的な研究プロジェクトに積極的に関与する意欲と能力を備えておられることの証しである。逆井氏はまた現在の勤務先である東京外国語大学、非常勤講師として出講なさっていた早稲田大学において日本文学を英語で講じる授業を多数担当してこられた。本ポストの場合、着任後の前期課程での所属は英語部会であるが、逆井氏は本学部で二年間、非常勤講師として英語を教えた経験もあり、専門分野での研究指導のみならず、前期課程の英語教育においても存分に力を発揮してくださるものと期待できる。

以上の理由により、逆井氏は研究・教育の両面で本研究科にお迎えするにふさわしい人物であると判断される。

 

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