統合自然科学科
特色と目標
- 境界領域の科学から一歩進んで、学問領域を自由に越境、横断し、自然科学知をインテグレイト(統合)し、新たな領域を開拓する研究者の養成を目指す。また、同時に深い専門性と幅広く豊かな知性を有する自然科学的教養人を育成する。
- 数理、物質、生命、認知、身体に関する基本的知識を習得するとともに、複数の分野にまたがる専門的知識を獲得する。
- 専門的な科学・技術分野における研究者を目指すための大学院への進学や科学技術政策や理科系教育の行政職、科学ジャーナリスト、科学技術インタープリター等、社会と科学を結ぶ職業人等、高度な自然科学的教養人を想定している。
各コースの紹介
(a)数理自然科学コース
様々な数理的概念の理解を深めるとともに、広く自然現象の背後にある数理的構造を学ぶ。自然科学を統合的に理解しようとする動機のもとで学んだ高度な数理的考えや手法を様々な分野に生かせる人材を育成する。
(b)物質基礎科学コース
広く物理・化学的概念を学び、その深化・統合によってミクロからマクロにわたる物質世界に対する理解を深める。物理と化学の基本的概念を習得しつつ、その境界を強く意識することなく、広く物質科学を統合的に理解し、新しい学問領域を創造する人材を育成する。
(c)統合生命科学コース
分子、細胞、組織、器官、個体など生命の様々な階層における秩序、構造、機能、法則性を把握し、それらを統合したシステムとしての成り立ちについて、生命科学のフロンティアで開拓する人材を育成する。
(d)認知行動科学コース
人間の認知機能や行動の諸特性とその成立の仕組みを総合的に把握させるとともに、発生及び適応の観点から人間科学を深く理解する人材を養成する。
(e)スポーツ科学コース
様々な身体運動を、力学・医学・生理・生化学・心理学の観点から科学的に学び、スポーツ科学が応用科学であることを理解させ、運動の成り立ちや身体の可塑性、スポーツパフォーマンスの向上及び身体のサステイナビリティなどについて、総合的に理解させる。
学生は5コースのうちいずれかを主専攻として選択するが、関心に応じて他コースを副専攻またはサブプログラムとして履修できる。「学融合プログラム」や教養学科の「サブメジャー・プログラム」、学際科学科の「サブプログラム」等、他学科の講義についても積極的に履修できるようにし、多様な学習形態をサポートする。
コース
カリキュラムの履修法
統合自然科学科のカリキュラムは、高度教養科目、コース科目、卒業研究から成り、卒業のためには76単位以上を取得する必要がある。
高度教養科目
主として4学期に開講。コミュニケーションやプレゼンテーション能力を高める講義や、導入的な講義を通して、各コース副専攻の内容を紹介するとともに、どの進路に進んでも基本的な力量が役に立つようにするための科目群がある。ここでは、統合自然科学リテラシーの確立を目的とし、6単位以上取得する。
コース科目
各コース内において、専門的な内容を含む講義をはじめ、自然科学の理解に必要となる演習・実験、少人数によるセミナーが設けられており、自分の勉強計画にしたがって科目を選択することができる。
ただし、所属するコースの授業科目群から34単位以上を取得し、かつ他コース科目から16単位以上を取得する。
卒業研究
学問領域に応じて、各コースで実施の考え方や実施方法に自由度を持たせている。学生は、研究テーマに応じて、履修前提条件を満たすことにより、卒業研究を行う研究室を所属するコースを越えて選択することができる。例えば、物質基礎科学コースに進んだ上で、卒業研究を生物科学系の研究室で行う等である。卒業研究は10単位である。
上記の単位の他に、*他コースの科目群から、任意の科目を副専攻科目として、24単位以上習得した場合に主専攻のほかに副専攻を、14単位以上習得した場合はサブプログラムを習得した旨認定し、卒業時に修了証書を授与する。(*2022年度まではスポーツ科学サブコースを含む)