教養学部報
第546号
駒場図書館案内
酒井哲哉
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。駒場は文理さまざまな学生が集うキャンパスですが、図書館を一度も利用したことがないという人はまずいないと思います。そこで皆さんの誰もが関わりのある駒場図書館についてご紹介しましょう。
生協食堂や購買部・書籍部があるコミュニケーションプラザ前の広場に面した建物が、駒場図書館です。このあたりはかつて駒場寮という学生寮があった場所ですが、廃寮後に再開発され、現在アドミニストレーション棟のある場所に位置していた旧図書館はここに移転し、装いも新たな建物になりました。
撮影:丸善株式会社 中村俊介氏
駒場図書館は、本郷地区の総合図書館、柏地区の柏図書館と並ぶ、東京大学附属図書館の駒場地区拠点図書館です。東京大学の蔵書約九〇〇万冊のうち、六〇万冊が駒場図書館にあります。
入学時に配付されるパンフレットや図書館のホームページから、開館日程や利用方法についての基本的な情報を得ることができます。またOPACという検索システムを用いれば、駒場図書館のみならず東京大学の他部局の図書館の蔵書情報も簡単に調べられます。駒場以外の図書館にある書籍を取り寄せることもできますので、駒場にいながら全学の図書館の書籍を活用することが可能です。
利用に関する細かな助言を受けたい人には、毎月何度か開催されている初心者向けの講習会があります。これらは文系の基礎演習に組み込まれている場合も多いようですが、その機会のないクラスの人も、また理系の皆さんも、積極的に図書館で開催される講習会に参加してみてください。
百聞は一見にしかずという格言もあります。まずは駒場図書館を訪問してください。そして館内を散策しながら、開架の図書を思いつくままに手にとってみてださい。
本の顔を知ることは、知識のありかたを直感することであり、遠回りのようで実は勉学の近道です。まだ目を通したことのない数多の書物を前にしたとき、皆さんは大学で学ぶ幸せを、きっと実感できるでしょう。
(グローバル地域研究機構/国際関係/駒場図書館長)
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