HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報592号(2017年5月 2日)

教養学部報

第592号 外部公開

<後期課程学部案内>工学部

副研究科長 古澤 明

明るく楽しく研究を行う工学部
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/

工学部と言うと、工場で働く人たちを連想するのではないでしょうか? あるいは、理学部で研究を行い理論をつくり、工学部ではその理論を用いて開発を行うと思っている人が大半なのではないでしょうか? つまり、工学部では研究をしていないと思っている人が大半なのではないでしょうか? 本稿の目的は、工学部では明るく楽しく研究をしているということをわかってもらうことです。

みなさんは高校までの科目名である数学、物理、化学、生物の分野ではどういうことをしているのか想像がつくと思います。したがって、理学部では何をやっているのか容易に想像がつくと思います。しかし、工学という科目は高校に無いために、工学部では何をやっているのかよくわからない、あるいは、工場で設計を行うための勉強のみをしていると思うのだと思います。実は工学部でも理学部と同じように、高校の科目である数学、物理、化学、生物に関する研究をしています。ところが、理学部と決定的に違うことがひとつあります。理学部に「制御」(コントロール)という概念はありませんが、工学部では「制御」を行います。つまり、理学部では自然法則に従う現象を観測し、そこから自然法則自身を見つけ出すことを研究していると思います。一方、工学部ではそのような自然現象に人間の手を加え、制御するという研究を行います。制御すること自身が研究なのです。大きなものでは構造物の制御つまり建築物、航空機、ロケット、化学プラント、少し小さくなって車やロボット、もっと小さいものでは分子マシンや量子を制御する量子コンピューターまで、自然現象を制御し価値を創造するのが工学部なのです。そしてこのような研究は人類社会の発展に貢献し、とてつもなく楽しいものなのです。

このように、工学部でも数学、物理、化学、生物の研究を行っています。さらに言うと、自然に人間が手を入れ価値を創造しています。つまり「ものづくり」の研究をしているのが工学部です。これらをあらゆる規模・分野で行うため十六学科も存在し、学生数、教職員数共に東京大学における最大の学部となっています。また見逃してはいけないのは、大学院を含めた外国人留学生の数が約千人となっており、極めて国際的な環境となっていることです。これは他の学部には無い工学部の大きな特徴です。たとえば、毎週金曜日の昼休みにはインターナショナル・フライデー・ラウンジが企画され、外国人留学生と気軽に英語でのおしゃべりが楽しめます。さらに、日本人学生が英語のスキルを磨くためにスペシャルイングリッシュレッスンを提供しています。もちろん、交換留学や海外派遣も積極的に行っています。

このように工学部では、これまで世の中に無かった新たなものを生み出す研究を明るく楽しくやっています。そしてその舞台は極めてグローバルです。グローバルな環境で楽しく研究し、人類社会の発展に大きく貢献できるのが工学部なのです。ぜひ一度工学部ホームページを訪ねてください。

(副研究科長/物理工学)

第592号一覧へ戻る  教養学部報TOPへ戻る

無断での転載、転用、複写を禁じます。

総合情報