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最終更新日:2017.08.03

教養学部報

第594号 外部公開

新入生保護者との交流と東大駒場友の会

受田宏之

新年度が始まって間もない四月十五日(土)、新入生の保護者との交流イベントが催された。参加した三二〇名の保護者はいずれも、「東大駒場友の会」(以下「友の会」)に入会された方々である。以下では、同イベントの模様を報告するとともに、「友の会」のことを紹介してみたい。
保護者を迎えての最初のプログラムは、石田淳・教養学部長の講演である。会場となった講堂(九〇〇番教室)は、駒場キャンパスの中で、一号館と同様、戦前の第一高等学校であった時代から残る数少ない建物の一つである。大学院生によるパイプオルガンの演奏後、学部長は、駒場の魅力についてユーモアを交えながら語られた。歴史や自然を感じられる贅沢さ以上に駒場の魅力として力説されたのが、一見関係がないと思われる複数の事物、事象の間に関係があることに気付く自由で寛容な精神であり、それを土台として築かれる新たな研究教育の実践である。「総合」、「統合」、「相関」、「学際」、「国際」等の組織名称が駒場で目立つのは、多様でありながらも一体であるという駒場の知的伝統の反映なのである。学部長の講演に続いて、河野俊丈・数理科学研究科長が挨拶をされた。特に印象に残ったのは、数学の基礎付けのあることが重宝される分野が社会で増えているとの発言だった。

「友の会」新会員は、講堂を後にすると、十名前後でグループを作り、グループごとに一人の教員に引率され、恒例のキャンパスツアーを行った。職員の協力を得て図書館や博物館、学生相談室、教務課など新入生に欠かせぬ場所を訪れたほか、引率教員の勧める場所を訪問した。四月ないし十一月に引率として一時間の持ち時間が与えられたなら、あなたはキャンパスのどこに案内するだろうか。

適度にお腹を空かせたツアー参加者は、昼食パーティーで歓談し、最後に合同で写真を撮影して解散となった。貴重な機会だと引率役を喜んで引き受けてくださった教員、各課課長をはじめとする職員、場を盛り上げた在学生・卒業生の演奏家、そして何より駒場のサポーターとなりキャンパスまで来ていただいた保護者の皆様に御礼申し上げたい。

小中高とは異なり大学となると、教員と保護者の接触は減り、保護者が大学とふれあい影響を与える経路は限られたものとなる。「東大駒場友の会」は、国立大学が法人化し、国による予算が削減されていく厳しい状況の中、保護者・卒業生をはじめ広く社会から駒場キャンパスにおける教育研究活動への理解と支援を得ることを目的に、二〇〇四年に設立された。二〇一六年には一般社団法人になり、活動の制度基盤が整うこととなった。二〇一七年三月三十一日時点での会員数は、会友会員(在学生とその家族ら)三、四六五名、通常会員(大学関係者ら)四八八名、終身会員一三四名、一高同窓会会員一九八名、東京高校同窓会会員八五名となっている。

「友の会」は会費、寄付、事業収入を合わせても、その予算規模は慎ましいものである。だが、熱意ある運営スタッフに支えられ、駒場の学習環境を整えるきめ細かい活動が行われている。寄付事業として、学生団体と駒場祭への補助のほか、駒場図書館、駒場博物館や三鷹国際学生宿舎等の教養学部の施設への支援が実施されている。学生団体への寄付については、今年度から広く公募し、運営会議で審査して支援先を決定することになった。寄付を受けたことのない団体も応募してみるとよいだろう。キャンパスを彩る樹木にはプレートがかかっているが、これも「友の会」により設置されたものである。また、保護者との交流イベント以外にも、文化講演会や食育イベントの開催、オルガン委員会・ピアノ委員会との音楽演奏会の共催(春と秋の選抜学生コンサートを含む)など、様々なイベントを組織している。会員の方々には、これらのイベントを告知し参加を促しているほか、複数の施設の利用料金の割引等、ささやかながら特典も提供している。

卒業後に入会してみたい、学生団体への支援に応募してみたい等、東大駒場友の会に関心を持った人は、手作り感のあるウェブサイトをみて欲しい(https://tomonokai.c.u-tokyo.ac.jp)。教養学部長の講演も掲載されている。

(学部長補佐/国際社会科学/スペイン語)
 

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