HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報600号(2018年5月 8日)

教養学部報

第600号 外部公開

駒場にはしゃべランチがある!

細野正人

東京大学駒場Ⅰキャンパスの初年次活動センターでは、ほぼ毎日、しゃべランチが行われています。しゃべランチとは、「しゃべること」と「ランチ」を組み合わせた造語で、昼食をとりながらいろいろな言語で楽しく会話することを目的とした活動です。二〇一六年から始まったこの活動は駒場キャンパスにすっかり定着し、多くの教養学部生・理学部数学科学生に知られています。英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語、イタリア語、中国語のしゃべランチがあり、二〇一七年度は延べ一六〇〇人の学生と教職員が利用してくれました。

外国語会話というと、大学サイドが語学教育の一環で始めたものだと思われがちですが、実はほとんどのしゃべランチが「この外国語でしゃべランチをやりたい」という学生の希望で始まっているのです。したがって、教員が参加するしゃべランチもあれば、参加しないしゃべランチもありますが、上手い下手に関係なく、外国語によるコミュニケーションに意欲的な学生が必ず参加していることが特徴です。

また、しゃべランチは、科類、学部、学年を問わず、様々なフィールドで学ぶ東大生の交流の場になっています。教養学部前期過程は外国語学習の機会がとても多いのですが、残念ながら、科類や分野が違うと母国語以外で交流する機会は少ないと言えます。そこで、しゃべランチの枠を超えて、二〇一七年七月一日に、留学生も交えた「流しそうめん交流会」を実施しました。授業がない土曜日にも関わらず、五十名を超える学生と教職員が参加してくれました。二〇一八年も同様の交流の機会を提供する予定です。

さて、ここまでは外国語のしゃべランチを紹介しましたが、しゃべランチにはもう一つ、人気の企画があります。それは、「教授としゃべランチ」です。駒場を拠点として活躍されている先生方にお出でいただき、研究者になった動機や研究者の生活など、先生方の体験に基づいた貴重なお話を気軽にうかがってディスカッションできる場になっています。

筆者は全ての「教授としゃべランチ」に参加しましたが、先生方の専門領域によって参加学生の特色が異なることがとても面白いと思っています。意表を突くような体験もありました。例えば、日本ボディービル選手権で優勝経験を持つ石井直方副学部長がゲストだった回では、ガタイの良い男子学生ばかりが集まるかと思っていましたが、ほとんど女子学生でした。石井先生がダイエットの本を多数執筆されていることがその理由だったようです。

この駒場キャンパスには世界的な研究者がたくさんいます。せっかく東大に入学したのですから世界一流の研究者に触れるべきですし、授業とは異なる気軽に触れ合う機会をもっと設けるべきでしょう。東大生にとって貴重な機会の一つになることを期待して「教授としゃべランチ」は日々活動しています。

(駒場学生相談所)
 

第600号一覧へ戻る  教養学部報TOPへ戻る

無断での転載、転用、複写を禁じます。

総合情報