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最終更新日:2019.09.11

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トピックス 2019.04.19

【研究発表】哺乳類内在色素・ビリベルジンを結合する分子の合理的設計と応用利用

 静岡大学大学院総合科学技術研究科の成川礼講師、東京大学大学院総合文化研究科の佐藤守俊教授らの研究グループは、「哺乳類内在色素・ビリベルジンを結合する分子の合理的設計と応用利用」に関する研究成果を、米国アカデミー紀要 Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 誌のオンライン版で2019年4月2日(火)午前5時(日本時間)に公開されました。

 シアノバクテリオクロムとは、酸素発生型光合成原核生物・シアノバクテリアにのみ保存されている光を感知する色素タンパク質(光受容体)であり、特定の光質や光量を感知します。以前、本研究チームは哺乳類内在性色素・ビリベルジンを結合する天然分子を発見しました。今回、ビリベルジン非結合分子と結合分子を比較することで、ビリベルジンを結合するのに重要な4つのアミノ酸残基を特定し、線結晶構造解析によってその分子機構を解明することに成功しました。さらに、これら4つのアミノ酸残基を光スイッチや蛍光プローブの開発基盤となり得る分子に導入することで、ビリベルジン結合分子を創出することにも成功しました。中でも、顕著な蛍光を発する分子は、哺乳類の細胞を用いた in vitro および個体を用いた in vivo のどちらの実験系においても、生きた状態の細胞や組織から近赤外光の蛍光を観測することに成功しました。

 「筆頭著者の伏見さんを中心に、多くの方との共同研究によって、原子レベルでの理解を個体での応用まで繋げることができました。今後、様々な研究に利用してもらえるよう更なる開発を進める所存です。」と成川講師は話します。佐藤教授は「小さな光受容体のシアノバクテリオクロムの実用化に向けて難題を克服することができました」と続けます。

 今後、哺乳類内在性色素・ビリベルジンを結合するシアノバクテリオクロムを分子基盤とし、実用できる光スイッチや蛍光プローブの創出を目指した開発を進めていきます。

fig01.jpeg 哺乳類内在性色素・ビリベルジンを結合し、
近赤外光の蛍光を発する NpF2164g5_BV4 の哺乳類の細胞内の蛍光観察。
マウスの肝臓に NpF2164g5_BV4 を導入した個体の写真。

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