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最終更新日:2019.09.11

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トピックス 2015.01.29

キャロライン・ケネディ駐日米国大使と学生の対話が駒場キャンパスにて開催されました

キャロライン・ケネディ駐日米国大使と、東京大学教養学部の学生の対話が、「日米のパートナーシップとグローバルシチズンの役割」をテーマとして、2015年1月22日正午より行われました。会場となった数理研究科大講義室には、申し込みの中から抽選で選ばれた1年生と2年生の学生総勢約150名が1時間前から続々とつめかけました。

正午きっかりに登場したケネディ大使を、壇上に置かれた純白の胡蝶蘭と会場から湧き上った割れんばかりの拍手が迎えました。教養学部の鹿毛利枝子准教授の司会進行のもと、まず江川雅子本学理事の挨拶がありました。ケネディ大使の出身校でもあるハーバード大学での留学経験の逸話を交えながら、留学の大切さや東京大学における女子学生数増への願いなどについて語り、ケネディ大使の経歴を紹介しました。

続くケネディ大使の挨拶は、そのグレーのセーターに青いマフラーという出で立ちのように気さくで温かなスピーチで、海外で学ぶことの意義、女性の社会進出への願い、そして日米パートナーシップの重要性をユーモアを交えながら語るものでした。ビジネスばかりではなく野球などのスポーツのようにさまざまな分野で交流が進む日米関係ですが、日本の学生もアメリカの学生も他国で学ぶことが多くなり、民主主義や自由という価値観を大切にしながら異なる文化の中で多くのことを学ぶことができるようになりました。その中で今学生である若者がグローバルシチズンとして世界を変えていけるという輝かしい未来に大使は強い期待を寄せました。

ここで壇上に学生パネリスト3人が上がり、ケネディ大使に来駒への感謝の意を伝えるとともに、それぞれの体験をもとにした発言がありました。一人目の発言者である教養学科地域研究分科北アメリカ研究コース4年生の井上茜さんは、自身のミシガン大学やスコットランドでの生活体験をもとに、豊かな交友関係や異なる価値観について述べました。二人目の発言者である教養学科総合社会科学分科4年生の梁瀬晴啓さんからは、インドネシア留学の経験をもとに社会格差や社会的弱者・貧困層の自立という社会的問題を意識するようになった体験が語られ、グローバルシチズンとして各コミュニティーの尊重が重要だと発言がありました。三人目の発言者で教養学科2年生・北アメリカ研究コース進学内定生であるニーナ・ベロワさんからは、異なる社会のぶつかり合いからこそグローバルシチズンとしてのパーソナリティーと価値観が形成され、自身の北アメリカ研究コース進学もこのような観点から真剣に決めた選択であったことが述べられました。

その発言をふまえた上で、学生パネリストとケネディ大使とのディスカッションが行われ、学生パネリストからは女性の社会進出、宗教などの文化的差異を乗り越えた交流の可能性、表現の自由の問題、アジアの一員としての日本とアメリカの関係、日本の若者がアメリカから学ぶべきことなどについて質問が寄せられました。ケネディ大使からはまず自身が初の女性駐日大使であることを名誉に思っていること、日本政府と日本国民が女性の社会進出に努力を続けていることが述べられました。女性の社会進出はその社会にとって有益であり、実際に女性大使の存在も決して多くはないとはいえ増加しつつある。このようなチャレンジと成功が社会的友好関係にも寄与することが示唆され、また「優秀な東京大学の学生諸君」への激励の言葉も述べられました。文化的差異については、それぞれの国民に価値観の違いがあるのは当然としながらも、同時に日米の学生は同じように好奇心旺盛な良き若者であり、だからこそグローバルシチズンとしての相互理解が平和と繁栄をもたらすことが強調されました。また、それゆえに外国留学は意義があり、アメリカは日本に、日本はアメリカに学ぶことがそれぞれ多いことが指摘されました。多様な伝統的価値観の出合いは、むしろ社会変革の要素として積極的にとらえることができ、暴力を排除しつつ異なる価値観のぶつかり合いから生まれるよりよい未来の建設が訴えられました。

学生パネリストとの質疑応答のあと、会場の多くの学生との質疑応答が行われました。質問は留学体験をもとにした日米理解に関するもの、言語の壁、大使の任務、和食、民主主義など多岐にわたり、ケネディ大使に縁の深い芸術に関するものもありました。それらの一つ一つにケネディ大使は丁寧に応じ、異文化との出合いがダイナミックな相互理解を生むこと、言語の壁を乗り越えて生まれるコミュニケーションが豊かなものであること、食文化も芸術も異なるコミュニティー同士の理解を深める一つの有能な「大使」であること、自身の大使の任務が異なる社会の中でさまざまなメンバーと共に仕事ができる素晴らしい仕事であること、人権問題や女性の権利の問題が民主主義の観点から解決されていかなくてはならないことなどが述べられました。

最後に鹿毛准教授からケネディ大使に感謝の意が述べられて、大きな拍手の中、ケネディ大使は退場しました。壇上に華やぎを添えた胡蝶蘭の花言葉「幸福が飛来する」のとおり、ケネディ大使は駒場の学生たちに、日米のパートナーシップとグローバルシチズンの役割というテーマを通じて、より幸福な社会への道しるべを示しました。

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学生パネリストとの対話に真剣に耳を傾けるケネディ大使

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笑顔で学生と対話するケネディ大使

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学生の質問に丁寧に答えるケネディ大使

 

 

 

 

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