新任教員紹介
橋川 健竜(ハシカワ ケンリュウ)
所属 | 専攻グローバル地域研究機構 |
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学科教養学科 | |
部会英語 | |
職名 | 教授 |
発令年月日 | 2019年4月 1日 |
略歴 | ■最終学歴 コロンビア大学大学院・歴史学部 |
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■学位 Ph. D (歴史学部) |
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■前任職 東京大学大学院総合文化研究科 准教授 |
担当科目 | ■前期課程 英語コミュニケーション、総合科目L |
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■後期課程 アメリカ近代史、アメリカ近代史演習 |
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■大学院 アメリカ太平洋基層文化論I・II |
研究活動 | ■研究分野 歴史学(西洋史・アメリカ近代史) |
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■研究業績
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採用理由 | 氏の専門は、歴史学、とくに英領植民地時代からアメリカ合衆国建国の時期をまたぐ18/19世紀米国近代史・経済史である。初期の研究の要は、1990年代にアメリカ史学界を席巻した共和主義論争に着目しながら、19世紀の合衆国の国土開発(いわゆる「内陸開発」)が、私益を追求する私企業の企てとしてではなく公共の利益を視野に入れた連邦政府の企てであったことを、連邦議会議事録等の分析を通して検証することにあった。留学を終え、とくに東大に着任してからは、それら初期の経済思想・思潮研究に社会史的な視点を加味した米国社会経済史の展開に力を注いできた。具体的には、19世紀前半、企業家精神を合わせ持つようになった米国中部大西洋岸の小規模農民たちが、州境を越えて成長し始めた市場(マーケット)の動きを考慮しながら余剰生産物の売買を図るようになった点に着目し、自給自足の生活スタイルが想定されがちであったそれら小規模農家が近代資本主義手的な農業経営に乗り出す時期が従来考えられていたより早かった可能性を、多くの農家の帳簿類の調査に基づき、実証した。その研究の成果は、東京大学着任後2013年に東京大学出版会より刊行した『農村型事業とアメリカ資本主義の胎動 共和国初期の経済ネットワークと近郊』に集約され、内外で極めて高い評価を得ている。同書には、2014年、日本アメリカ学会より、当該年度に刊行された若手研究者の著作のうち最も優れた単著に与えられる、清水博賞が授与された。 こうした専門分野での活躍に加え、合衆国史・西洋史全般の研究教育においても、橋川氏の活躍は顕著である。例えば、2014年4月からは、放送大学兼任教授を本学の網野徹哉教授とともに務め、マルチディア学部授業『南北アメリカの歴史』を同大学でオン・エアするにいたった。また、2016年ミネルヴァ書房から刊行された『新しく学ぶ西洋の歴史 アジアから考える』では、南塚信吾・秋田茂・高澤紀恵氏ら他地域を専門とする歴史家とともに、世界史の文脈の中に合衆国の歴史を捉え直す作業にも力を尽くした。 学内においては、図書委員会、情報基盤委員会、TA委員会などの委員会で職責を全うしたほか、2015年10月~2016年9月までは研究科長補佐を務めるなど、氏の行政面での活躍も特筆に価する。 以上のように、橋川健竜氏は、研究業績においても、教育においても卓越した能両区を発揮し、総合文化研究科の教授にふさわしい教授と判断される。 |
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