大学院総合文化研究科
大学院総合文化研究科は、文系と理系の専攻がある。文系は、「言語情報科学専攻」、「超域文化科学専攻」、「地域文化研究専攻」、「国際社会科学専攻」の4 専攻からなり、理系は「生命環境科学系」、「相関基礎科学系」、「広域システム科学系」の3 系を持つ、「広域科学専攻」の1 専攻からなる。どの専攻も、学際性および国際性を教育・研究の柱として、専門分野についての深い理解の上に立った領域横断的研究による知の創成をめざし、確かな教養に支えられた総合的判断力をもって現代の社会と科学技術の様々な課題に取り組む能力をもち、教育・研究の分野のみならず社会の実践的分野においても国際的に指導的役割を果たすことのできる人材を養成することを目的としている。
| 専攻毎の教育研究上の目的 | 専攻・研究科横断プログラム | 国際卓越大学院教育プログラム
| 英語のみで学位取得可能なプログラム |
専攻毎の教育研究上の目的
言語情報科学専攻
人間の知的活動の根幹といえる言語活動を多角的に考察することをその研究教育活動の主眼とし、文化・社会のなかでの人のいとなみとしてことばをとらえる人文・社会科学的アプローチから、ヒトの脳や計算機の働きとの関係でことばをとらえようとする自然科学的・工学的アプローチにいたるまで、多岐にわたる視点を提供している。また、数多くの言語を研究対象としてカバーすることで、国際性と学際性という総合文化研究科の学問理念を「ことば」を軸に具現化し、研究・教育の分野のみならず社会の実践的分野においても国際的に指導的役割を果たすことのできる人材を養成することを目的としている。
超域文化科学専攻
表象文化論、文化人類学、比較文学比較文化を専門分野とする教員が連携し、国家や社会を超えてグローバル化した文化現象や、ジャンルを横断する文化的活動への有効なアプローチを提示している。扱われる内容は、伝統儀礼や民俗芸能、グローバルな文化とその多元的な表現様態、メディアやテクノロジーと芸術との相互交渉、記号システムの形式や構造、異文化間の移動や交流など多岐にわたり、分析方法も、文献批判、フィールドワーク、ネット社会の動態記述などを踏まえ、最新の理論的フレームの積極的な開拓に努めている。パラダイム変換を迫る現代の錯綜した状況に対応できる開かれた文化主体を形成し、研究・教育の諸分野や、実社会の様々な現場に向けて国際性と学際性を兼ね備えた指導者的人材を養成することを目的としている。
地域文化研究専攻
研究については、各教員が専攻する地域・ディシプリンの考究を深化させるとともに、地域やディシプリンを横断するアプローチを展開し、特殊・個別的なものから普遍性へといたる方法を模索することを目的としている。教育においては、個々の地域文化に関する豊かな知識と理解をもつと同時に、当該地域の特殊性にとどまらず、自らの研究を全世界的な文脈のなかで捉えることのできる視野と洞察力をもつ人材を養成し、言語や宗教、習俗や思想の差異を越えた多文化共存の道を求めることを目的としている。
国際社会科学専攻
国際関係論コースと相関社会科学コースの2 つのコースから成り、国際化に伴うさまざまな現象を社会科学的に解明することを目的としている。国際関係論コースでは、国際政治、国際経済、国際関係法、国際関係史など、多様な接近方法をもとに、国際関係を総合的にとらえる。相関社会科学コースでは、社会科学の基礎領域である、法、政治、経済、社会についての学問的知識を横断的にとらえ、現代の社会現象を総合的に解明する。このような理念のもとに、新しい時代にふさわしい専門的な研究者の育成を主眼におき、学術的な成果の社会還元を目指している。また、国際機関や官庁、NGO、民間シンクタンクなど幅広い分野で活躍する専門的知識を身につけた国際的な人材を養成することも目指している。
広域科学専攻 生命環境科学系
遺伝子から人間にいたるまで、さまざまなレベルの生命現象について、「ライフダイナミクス」の観点から総合的・複合的な研究を行い、従来の理系・文系という分類を超え、生命に関して分子からヒトまでを包括するきわめて学際的で先端的な研究・教育を行っている。研究分野は、細胞生物学、生化学、生物物理学、分子生物学、スポーツ科学、脳科学、心理学、教育学などの諸領域におよび、研究対象は、DNA、蛋白質、細胞など生命体の基本的構成単位であるミクロな部分から、組織、器官、個体にいたるまでの構造、発生、機能、さらに人間の身体の構造と機能、心理など多岐にわたる。それぞれの領域、対象で先端的な研究を推進できる基本的な知識と手法を身につけ、分子から細胞、組織と積み上げて人間を理解する方向と、ミクロな生命環境科学のあり方を考える方向性とを持った人材を養成することを目指している。
広域科学専攻 広域システム科学系
自然界から人間社会にいたる様々なレベルの複雑な事象の解析や問題の解決に、「システム論的な思考」を駆使し、さらにその先にある「シームレス的思考」を視野に入れて、総合的・複合的に取り組むという理念のもとに研究教育活動を展開している。取り扱われる対象は、宇宙、地球、生態系、生命システムといった自然システム、情報システム、工学システムなどの人工的なシステム、さらにそれらが複合化した環境システムや都市・地域システムなど、実に広範囲にわたる。学際的・総合的視野を持ち、システム思考を自分のものとし、教育・研究の分野および社会の実践的分野において活躍できる人材を養成することを目的としている。
広域科学専攻 相関基礎科学系
自然科学を専攻するグループは、「クォークからインテリジェントマテリアルまで」の標語のもとに、素粒子・原子核、原子・分子からさまざまな高次構造体までを対象とする広範かつ最先端の物質科学研究を展開している。科学史・科学哲学を専攻するグループは、科学と技術、およびそれらと社会の関わりを人文社会科学の手法を用いて研究している。そして、この両者の研究活動が相互に刺激し、活性化しあうような体制作りを目指している。現代の科学技術の基礎を担い発展させると同時に、社会のなかでの科学技術のあり方を意識して、人間や生命の環境との共生を考えることのできる問題解決型の人材を養成することを目的としている。
専攻・研究科横断プログラム
- 「人間の安全保障」プログラム
(HSP) - 欧州研究プログラム(ESP)
- 日独共同大学院プログラム(IGK)
- 多文化共生・統合人間学
プログラム(IHS) - グローバル共生プログラム(GHP)
現在は学生募集を停止しています。
- 英語教育プログラム(UTEEP)