教養学部報
第545号
奥野さんをおくる
松田良一
リベラルで懐が深い奥野誠さんの学問的貢献は大きい。彼は馬渕一誠さんと共に、細胞質ミオシンに対 する抗体を作り、それをヒトデ卵に顕微注射し、卵割を阻止して細胞分裂におけるミオシンの役割を示して、過去六〇年間の細胞骨格分野のベスト二五論文の一 つとして Nature Milestones にランクイン。
さらに向井千夏さんと共に、彼はミトコンドリア膜電位を示す蛍光色素で精子を染色することで、精子を活性別に染め分けることに成功した。元気な精子を集められれば、少子化にあえぐ日本を救えるか。奥野誠さんの健康と今後の発展を祈りたい。
(生命環境科学系/生物)
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