HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報564号(2014年4月 2日)

教養学部報

第564号 外部公開

21 KOMCEE~駒場で最もユニーク(?)な学習空間

永田敬

http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/

564-E-11-2.jpg駒場キャンパスには時計台が聳(そび)える一号館やパイプオルガンのある九〇〇番教室など、数多くの教室棟があります。その殆どが「一一号館」のように番号で呼ばれるなかで、「21 KOMCEE」というユニークな名前をもつ建物があります。正式名称は21 Komaba Center for Educational Excellence。面倒なので略して21 KOMCEE(発音は“コムシー”)と呼ばれています。

21 KOMCEEは名前だけでなく中身もユニークです。教室の机は勾玉(まがたま)型や台形など形もいろいろ。机も椅子も可動式で全て片付けてしまうこともできます。壁一面のホワイトボードや小さなディスカッションボードなど、数名ずつでグループワークをしたり、全員で討論しながら授業を進める環境が整っています。このような教室は「スタジオ教室」と呼ばれています。教室の廊下側の壁は全面ガラス。誰でも通りすがりに中の様子を覘いてみることができます。一階にある身体運動・表現のための教室は体育館並みの床仕様に片壁は全面鏡貼り。観覧用のキャットウォークもあります。地階にある二百名収容のレクチャーホールは、講師と聴衆の距離が近く、お互いの緊張感や呼吸が伝わる「白熱教室」仕様です。

スタジオ教室がある三階から五階の廊下には、長椅子のあるスペースが設けられ、壁面には大型ホワイトボードが貼られています。友達と議論したり、先生への質問時間に活用してください。地階のオープンスペース・アリーナは自習やグループワークのための自由な空間。隣にはカフェテリア「KOMOREBI」もあります。その奥が国際交流センター「グローバリゼーション・オフィス」です。留学生のキャンパス生活を支援するために専門の職員が常駐していますが、昼休みになると、PEAK(教養学部英語コース)の学生や日本人学生が集まってきてランチを食べながら談笑したり勉強を教え合ったりして、日本語や英語が飛び交っています。

吹き抜けのガラス張り空間「MMホール」は、音楽演奏や演芸などのパフォーマンス、演説やトークイベントのための活動的な空間として設計されました。学生団体によるコンサートやモダンアート展、自由研究ゼミのポスター発表や学生交流会など、さまざまな催しが開催されます。人目を引くリング状の照明は国際的な照明デザイナー石井リーサ明理氏の作品です。

21 KOMCEEのもうひとつの特徴は、最先端のZEB(ゼロエネルギービル)技術が結集されていること。地熱・自然換気を利用した空調設備、LED照明、人工知能による建物制御システム「学ぶクン」などです。21 KOMCEEが目指しているのは、図書館やコミュニケーションプラザとはちょっと違った使い方ができる活動的なアカデミック空間です。

そうそう、今夏には21 KOMCEEの第二期工事が終わり、新しい実験実習棟が完成します。それはまたの機会に紹介しましょう。

(相関基礎科学系/化学)
 

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