HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報578号

最終更新日:2021.02.03

教養学部報

第578号 外部公開

<続・教えて! ユータスくん> 授業はなぜ105分なの?

森山工/寺田寅彦

平成二七年度から東京大学では全ての学部において新しい学事暦で授業が行われていますが、学部教育の総合的改革に伴い授業時間が一〇五分になっています。どうして一〇五分なのか、ユータスくんに聞いてみました。

Q.平成二七年度から授業の時間が長くなって一〇五分になっています。何がきっかけでこうなったのですか?
A.平成二七年度からターム制が導入されて授業の日程が変わり、また授業の時間が一〇五分になりましたが、このような新しい学事暦は総合的教育改革という取り組みの一つとしてできたものです。そのため授業時間が一〇五分である理由は総合的教育改革の全体を見渡して理解することが大切でしょうし、また同じく導入されたターム制のことも考慮することが必要です。

Q.それでは、その総合的教育改革とターム制のことについて教えてください。
A.ターム制というのは、一年を四つの学期に分けることも可能にする制度です。一年を二つの学期に分ける授業しかない時には、まとまった時間をとって海外の大学で開講されているサマープログラムなどを受講することは難しいことでした。毎週授業があるのである程度の期間ずっと日本を離れることができなかったからです。今はタームごとに授業が開講される制度があるので、ターム単位での海外修学や、タームとその前後の長期休業期間とを合わせた期間での海外修学ができるようになりました。キャンパスを離れて、行きたいと思う海外の教育機関で勉強をすることがずっと容易になったのです。また、勉強する内容や学習方法によっては、短期間に集中的に勉強した方がよいこともあります。今まで通りのセメスター制の授業ももちろんありますから、このターム制とセメスター制の両方をうまく使うことで、今までよりもずっと柔軟に授業が展開できる環境が作られたのです。たとえばこれにより、学生にとって自主的な科目選択の機会が増え、学生は自分の学修計画をより主体的に立てることが可能となったわけです。

Q.なるほど、いいことがたくさんあることが分かります。
A.でも、いいことばかりではありません。一年に四つのタームがあると、そのタームごとに試験期間が必要となります。それにタームごとの補講も設けなくてはなりません。大学には授業だけではなく、入学式やガイダンスや五月祭や駒場祭などの行事がありますし、それに一月から二月にかけてはセンター試験や入学試験が行われたりします。進学選択に必要な期間など、さまざまな要素を考えると、東京大学では一セメスターを十三週で行うしかないことが計算からわかっています。

Q.でも一セメスターの授業を十三週かけてすることと一〇五分授業はどういう関係があるのでしょうか?
A.実は大学は、大学設置基準という条例とさまざまな要素を考慮して一セメスターに一三五〇分相当の授業時間がなくてはならないことになっています。十三週の授業だと、一〇五分の授業をすることで一セメスターが一三六五分となり、この条件を満たすことができるのです。大学によっては九〇分授業を行うところも多いのですが、その場合は一三五〇分にするために十五週授業をしなくてはなりません。ただ東京大学では十三週で授業をする必要があるので、九〇分授業ではこの一三五〇時間に足りなくなってしまうのです。

Q.なるほど、だから一〇五分なのですね。でも勉強がとてもたいへんな気がします。
A.勉強はたしかにたいへんですが、実は総合的教育改革を行ったことでカリキュラムが変わり、教養学部前期課程では理科生・文科生ともに修了要件の単位数が以前のカリキュラムに比べて約八割に減っています。必ず履修しておかなくてはいけない授業の数が減ったので、それだけ一つの授業に集中できる環境が整えられたのです。

Q.修了要件の単位数が減ったのならば授業の数も減ったわけだから、授業のあとはすぐに遊びに行けるのですね!
A.おやおや、一つの授業は、事前学修や事後学修とセットになった学習の総量として考えられています。だから予習や復習も忘れないでください。総合的教育改革の目的の一つは、修得する単位、つまり学びを実質的なものにすることです。その目的の達成のために無理のない学修が可能になるような工夫がされていますから、がんばって勉強してくださいね!

(地域文化研究専攻/フランス語・イタリア語)(超域文化科学専攻/フランス語・イタリア語)

第578号一覧へ戻る  教養学部報TOPへ戻る

無断での転載、転用、複写を禁じます。

教養学部報