HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報590号(2017年2月 1日)

教養学部報

第590号 外部公開

<前期課程の新設科目紹介> 自然科学ゼミナール

平岡秀一

展開科目

展開科目の3つのゼミナールは、前期課程の基礎科目と後期課程の専門科目をつなぐために、自分が関心のある特定分野の思考様式や研究方法を少人数形式で学ぶ授業です。

自然科学ゼミナール

平成二六年度まで、教養学部の理系の講義では、少人数制の授業はほとんどありませんでしたが、平成二七年度から少人数の必修科目として初年次ゼミナール理科が始まり、全ての理科生が、一クラス二十名程の少人数の理系講義を1Sセメスターに受講することになりました。これにより、大人数の講義では難しかった受講生間のグループ討論や共同作業、論文作成、プレゼンテーションなど、受講生が主体的に学ぶ機会ができました。展開科目も平成二七年度から始まった新しい少人数制授業ですが、こちらは1Aセメスター以降に、希望者が受講できる講義です。「自然科学ゼミナール」は展開科目の中の理系科目で、1Sセメスターに学んだ理系の講義(基礎科目、総合科目など)を受けて、それを発展させるために設計された科目です。展開のさせ方は様々で、先端研究を題材として、初年次ゼミナールで培ったグループ討論やプレゼンテーションをさらに磨くことを目的とするものや、1Sセメスターまでに大人数講義で学んだ内容やその発展的な題材を、実習、演習問題、輪読などを通してさらに深く学習することを目的とする講義などが開講されています。前期部会に加えて、後期課程の諸学部や研究所からの出講もあり、平成二七年1Aセメスターには十三科目、平成二八年2Sセメスターには五科目が開講されました(表参照)。

いずれも初めての開講にもかかわらず、講義担当者からは、「期待通り学生主体の授業を実施できた」、「輪講形式を通して、後期課程に進んでからの学習の仕方を理解させられた」、「受講後に学生が主体的に、外部で開催される研究コンテストへ参加することになった」、「学生が手や頭を使い、主体的に参加する講義を行うことの重要性を感じた」などの感想や意見が寄せられ、初年次ゼミナールをはじめとする基礎科目や前期課程の科目と後期課程への学びの橋かけとなっている手応えが感じられます。

今後さらに、様々な科目が開講され、受講生の多様な興味を満たしつつ、多くの教養学部の学生さんに自然科学ゼミナールを受講してもらいたいと思います。

(相関基礎科学/化学)

表:平成27年1A及び平成28年2Sセメスターに開講された自然科学ゼミナール

開講時期

科目名 題目 開講母体

1A

情報科学 音楽の自然情報科学 情報学環

1A1、1A2

医学 医療倫理を考える 医学部

1A2

基礎工学 デライトデザイン~ワークショップで学ぶ機械・設計の視座 工学部

1A

基礎工学 エンジニアリング・リーダーのための工学思考とその表現 工学部

1A

基礎工学 社会シミュレーション演習 工学部

1A

生命科学 放射線影響と利用 アイソトープ
総合センター

1A

生命科学 野外生物学:湖沼のフィールド実習 生物部会

1A

生命科学 植物細胞を観る(実験生命科学) 生物部会

1A

身体運動科学 アドバンスト・フィットネス スポーツ
・身体運動部会

1A

化学 有機反応機構について考える 化学部会

1A

数理科学 群と対称性 数学部会

1A

数理科学 ポストモダン解析学入門 数学部会

2S

化学 生命を担う分子の化学 化学部会

2S

生命科学 野外生物学:植物野外実習 生物部会

2S

数理科学 自然科学に現れる微分方程式 数学部会

2S1

数理科学 圏論の基礎 数学部会

2S

情報科学 音楽の自然学 情報学環

1A:1年次Aセメスター    1A1、1A2:1年次A1ターム、A2ターム
2S:2年次Sセメスター    2S1:2年次S1ターム
 

第590号一覧へ戻る  教養学部報TOPへ戻る

無断での転載、転用、複写を禁じます。

総合情報