HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報592号(2017年5月 2日)

教養学部報

第592号 外部公開

理数系辞典案内 2017 化学

村田 滋

①化学辞典(東京化学同人:1994年:1744頁:9,600円)化学および関連する領域の、基礎から最先端に至る用語と物質を約2万項目記述した辞典。本書の元になった化学大辞典(東京化学同人:1989年:2772頁:42,000円)は約3万項目を取り上げており、国内最大級の化学辞典である。手頃なものとして、約8,000項目を収録するエッセンシャル化学辞典(東京化学同人:1999年:696頁:3,400円)がある。

②標準化学用語辞典 第2版(日本化学会編:丸善出版:2005年:898頁:12,000円)文部科学省「学術用語集 化学編」に収録された用語に、正確で簡潔な説明を加えた用語辞典。使い易さに定評がある。約1万語が収録され、基本的な化学用語はほぼ網羅されている。

③化学便覧 基礎編 改訂5版(日本化学会編:丸善出版:2004年:1914頁:54,000円)化学に関する最新の基礎知識やデータをまとめた便覧。教科書などに記載されているデータは、この書物が出典であることが多い。データをただの数字の羅列と思わずに、グラフ化するなど、自分なりに整理してみる態度を身につけてほしい。思わぬ発見があるかもしれない。本書の姉妹編である化学便覧 応用化学編 第7版(日本化学会編:丸善出版:2014年:1788頁:68,000円)には、応用化学と技術に関する最新のデータがまとめられている。

④元素の百科事典(J.Emsley著:山崎昶訳:丸善出版:2003年:732頁:15,000円)、元素大百科事典 新装版(P.Enghag著:渡辺正 監訳:朝倉書店:2014年:712頁:17,000円)高等学校では限られた元素しか扱わないが、これらは知られているすべての元素について、一つひとつを詳しく解説した事典。存在形態や化学的性質だけでなく、発見の歴史、生産法と用途、その元素にまつわるエピソードなどがまとめられている。

⑤世界で一番美しい元素図鑑(T.Gray著:若林文高監修:創元社:2010年:240頁:3,800円)、世界で一番楽しい元素図鑑(J.Challoner著:広瀬静訳:エクスナレッジ:2013年:160頁:2,800円)前項④に比べてずっと手軽で、辞書というよりも図鑑であるが、多数の美しい写真とともにそれぞれの元素の性質や用途、発見の歴史などが解説されている。また、元素に関する読み物には、元素111の新知識 第2版増補版(桜井弘編:講談社ブルーバックス:2013年:496頁:1,250円)などいくつかの本が出版されている。これらの書物を通して、宇宙のありとあらゆる物質の根源となっている元素について理解を深めてほしい。

※辞書の価格について、特に注意書きのないものは税抜きとなります。

(相関基礎科学/化学)

 

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