HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報596号(2017年12月 1日)

教養学部報

第596号 外部公開

防災への意識を高めよう

佐藤守俊

駒場Ⅰキャンパスでは昨年度から、全学生と全教職員による大規模な防災訓練を実施している。今年度も十月二十三日の二限の授業中に、震度六弱の大地震を想定した防災訓練を実施する予定だった。しかし、季節外れの台風二十一号の影響で、残念ながら今年度の防災訓練は中止になってしまった。駒場Ⅰキャンパスでの防災訓練の立案に関わる者として、大地震に備えるための年に一度の訓練のチャンスを逸したことは非常に残念である。教養学部報の紙面を借りて、授業中に大地震が発生した際の行動について説明したい。

授業中に大地震が発生した際に最初にとるべき行動は、身の安全を自身で確保することである。災害における過去の事例から、生死を分ける重要なポイントとして、頭部をしっかり守れるかどうかが挙げられる。従って、地震に対する初期対応として、まずカバン等で自身の頭部をしっかり保護してほしい。可能であれば、机の下に隠れるのも有効だろう。状況が許せば、教室のドアを開けて脱出口を確保してほしい。これは、大地震によって教室のドアが開かなくなり、破損した建物に閉じ込められて落命するというリスクを下げるためである。なお、スマートフォン等で緊急地震速報を受信できるよう、設定をオンにしておくことをお勧めしたい。緊急地震速報を受信できれば、大地震が到来する前に冷静に判断して初期対応を終えることができる。

地震の揺れがおさまったら、通路や階段、非常階段等を利用して建物の外(一次避難場所という)に避難するという段階に移る。この時、必ず教員の指示に従い、整然と避難してほしい。パニックを起こすと、特に狭い階段などで将棋倒しになる可能性が高く、非常に危険である。手助けが必要な学生がいたら、避難のサポートをお願いしたい。建物の外に出た後に、教員や防災担当責任者からの指示があれば、二次避難場所であるラグビー場に移動して安全を確保する。

なお、教養学部では「安否確認システム」というメールサービスを行なっている。これは、気象庁のウェブサイトに震度五弱以上の地震情報が掲載されると、UTASに登録したメールアドレスに自動的に安否登録を依頼するメールが送信されるというサービスである。メールに記載のURLをクリックして安否状況を登録すれば、大学が安否状況を把握できるようになっている。事前に保護者等のメールアドレスを登録しておけば、安否登録の結果は保護者等にも転送される。また、実家のある都道府県を登録しておけば、その地域で震度六弱以上の地震があった場合にも安否登録の依頼メールが送信されるので、帰省時に被災した場合でも大学に安否状況を知らせることができる。安否確認システムを利用するためは、最新のメールアドレスをUTASに登録することが必須である。メールアドレスを変更した場合には、必ずUTASで更新しよう。大地震発生時の対応や安否確認システムの詳細は教養学部の防災情報のページに掲載されているので、是非参照されたい。

◆学生向け防災情報
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/students/bosai/

(学部長補佐/広域システム科学/化学)

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