HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報605号(2018年12月 3日)

教養学部報

第605号 外部公開

防災訓練を実施しました

長谷川宗良

十月二十四日の二限授業終了直前に、大地震を想定した防災訓練が駒場Ⅰキャンパスにて実施された。今回の防災訓練は本郷キャンパスとの同時訓練であり、大学全体として大規模な訓練であった。駒場Ⅰキャンパスでは全学生・全教職員の参加による防災訓練を一昨年度から開始しており、今年で三年目となる。
教養学部ホームページに掲載されている防災マニュアルによると、大地震発生時の対応として、緊急地震速報の発令後、すぐに頭部を守り脱出口を確保する初期対応、地震の揺れが収まった後の建物外への避難、その後の安否確認、という三段階の行動をとることが記載されている。一昨年度は、全学生・全教職員を対象に初期対応訓練を行い、さらに一号館およびアドミニストレーション棟において避難・安否確認訓練も行った。昨年度は、台風の影響により秋の訓練を実施できず、三月に三号館、十五号館、十六号館、キャンパスプラザA棟・B棟およびアドミニストレーション棟での防災訓練を行った。
今年度は、全学生・全教職員の初期対応訓練と、五号館、七号館、講堂、アドミニストレーション棟にいる人を対象に避難・安否確認訓練を行った。避難訓練は、約七百名が参加となる大規模なものとなった。当日は十二時に緊急地震速報が流れ、初期対応訓練が行われた。避難訓練対象でない建物については、初期対応訓練終了をもって防災訓練を終えた。一方、五号館、七号館、講堂、アドミニストレーション棟では学生・教職員が建物外の一次避難場所へ避難し、安全カードを提出する避難・安否確認訓練を行った。その間、応急危険度判定士によりアドミニストレーション棟は安全であることが確認され、同建物内に駒場Ⅰキャンパスの災害対策本部が設置された。災害対策本部では、各部署からの被害状況・安否状況についての情報が集約され、また東京大学本部・災害対策本部と状況をやり取りする訓練が行われた。そして、希望者による水消火器を用いた消火訓練が行われ、最後に、安否確認システムを用いネットワークベースでの安否確認を行って防災訓練が無事終了した。
今回の訓練は、ありうる可能性の一つを想定したものであり、実際に大地震が起きた場合は、訓練通りにならないかもしれない。しかし、避難階段や避難場所を確認し、大地震が起きた際の対応を知る意味はあるだろう。実施側としては、様々な方の意見を聞いて実効性のある訓練が実施できるようさらに改善をしてゆきたい。
今年は六月に震度六弱を記録した大阪北部地震、九月には震度七を記録した北海道胆振東部地震と大きな地震が立て続けに起きている。いつ何時、大地震が起こるか分からないが、備えあれば憂いなしということで、防災について考える時間を持っていただければ幸いである。

(学部長補佐/相関基礎科学/化学)

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