HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報617号(2020年4月 1日)

教養学部報

第617号 外部公開

辞典案内 2020 台湾語

蔡承維

一、日台辞典
『日台大辞典』小川尚義編集、台湾総督府民政部、1907年。合計4.2万余りの日本語とその台湾語訳を収録、主に廈門音による。発音符号は、台湾総督府が五十音仮名を元に、新しく符号仮名、符号を加えたものを使用。国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている。
二、台日辞典
1『台日大辞典』小川尚義編集、台湾総督府、1931-32年。合計9万語余りを収録、主に廈門音を標準として、泉州音、漳州音なども採録。発音符号は、『日台大辞典』と同様。語辞の配列は五十音順。収録語数が最も多く、解説と用例も優れているため、使い方さえマスターできれば非常に有用。関連版として①『台湾語大辞典』と改題した復刻版、国書刊行会、1983年、27,184円。②王順隆『新編台日大辞典』、2004年、50,285円。教会ローマ字表記、現代日本語訳により再編集した自家版で調べやすい。③『台日大辭典台語譯本』オンライン版、台湾中央研究院語言学研究所により制作、公開。台湾語(教会ローマ字、台湾ローマ字、漢字のいずれか)から検索できる。解釈は台湾語の漢字ローマ字交じり文。台湾総督府版の原本スキャンデータを確認でき、日本語話者には便利。原版は④国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
2『東方台湾語辞典』村上嘉英編著、東方書店、2007年、6,600円(絶版)。教会ローマ字のアルファベット順に並び、台北の偏泉州音で編纂されている。語彙数は1.35万で、詳細な解説と適切な用例が豊富。日本語索引もあり、最も調べやすい辞書である。絶版だが編著者によると、大量増補の第二版を編纂中で、近々の出版を目指しているとのこと。
三、台華辞典
『TJ台語白話小詞典』張裕宏編著、亜細亜国際伝播社、2009年。教会ローマ字のアルファベット順で編纂され、解釈は台湾華語。北部の偏泉州音や中南部の偏漳州音を調べることができる。語彙数は1.91万で、新語のみならず、日本語、英語、台湾華語などからの外来語表現も多数収録されているのが特徴。台湾華語話者やその学習者には使いやすい。

(中国語)

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