HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報621号(2020年10月 1日)

教養学部報

第621号 外部公開

コロナ禍駒図奮闘記  ─こまとちゃんとふたりの図書館長 鼎談パートⅡ

こまとちゃん&Co.+A・I(Atsushi Ishida+Aeka Ishihara)

image621_02.png「東京大学附属図書館」は各キャンパスの拠点図書館三館に学部・研究所の部局図書館・室を加えた計三十の有機的な組織を指します。駒場図書館(以下、駒図と略)は、駒場地区の学習支援の中心的機能を担う拠点図書館、総合文化研究科・教養学部後期課程の教育研究を支える部局図書館の両方を兼ねるため、館長がふたりいます。加えて「駒図」で活躍中の公式キャラクター「こまとちゃん」は、この十月二日が誕生日です(推定十八歳、プロフィールは駒図ウェブサイトのabout/komato-chan参照)。以下は駒図のウェブサイトに掲載された「七夕鼎談」(今は「鼎談」として閲覧可能 /news/ 20200707)に続き、残暑厳しい図書館某所で蝉時雨をBGMに、本紙のために行われた第二回鼎談の記録です。

館長A:こまとちゃん、お誕生日おめでとう!

館長I:駒図開館と同い年だと十八歳か。「こまとちゃん」じゃなくて、「こまとさん」がいいかな?

こまと:ありがとう! ええっと...「こまとさん」は嬉しいけど、「こまとちゃん」でいいです...。

館長A:あらあら照れちゃった? でも十代のこまとちゃんには、この三月からの新型コロナウイルス感染予防対応は試練だったでしょう? 今までお手伝いよく頑張ったね!

こまと:はい、三月に開館時間を遅くして、来館できない利用者さんたちに延滞罰則がつかないよう返却期限を延長したり、グループ学習室、ウォータークーラー、閲覧席を利用停止にしたりしました。メディアパークの椅子の間引き、文具撤去も消毒もしなくちゃ!で、スタッフさんたちは走り回っていました(見ているだけで、目がグルグルになっちゃったのは内緒)。

館長A:駒場Ⅰキャンパスの活動制限指標が数週間でイエローからオレンジへ、四月上旬にはついにレッドに移行し、新学期が始まった途端に臨時閉館。でも閉館した図書館のバックヤードは、情報が日々錯綜する中、たくさんの業務を短期間で並行処理しなければならず、文字通り目が回るような忙しさでした。

館長I:その新学期も駒場は完全オンライン導入で、授業に必要な図書資料を借りたい先生方や学生さんたちの陳情・苦情の声が届いていたものの、スタッフさんたちは初めての在宅勤務で、遠隔操作のサービスにも限界がありました。そんな図書館の実情をみなさんに知ってもらおうとウェブサイトで発信したのが、七月七日の七夕鼎談でした。

館長A:七夕鼎談は前代未聞のオンライン定期試験前だったこともあり、「館内でのオンライン授業の受講や試験受験は不可」などの利用制限を含む注意やお願いをしました。

こまと:レポートが課された時のお役立ちURLなども紹介しているので、ぜひ読んでね!

館長A:秋以降の授業でもGACoSが使いこなせるかが明暗の分かれ道になりそうだものね。

こまと:駒図と仲良しの情報基盤課学術情報チームからの「差し入れ」それとも「プレゼント」っていうのかな? 「はじめてのSSL-VPN Gatewayサービス」チラシや文献検索用動画も見てね!

館長I:三月以降、MyOPACや学外ILL(文献複写・現物貸借)サービスをやむなく休止した期間もありましたが、活動制限下でも附属図書館や駒図はウェブサイトやSNSによる情報発信は極力休まず(たとえば「オンライン学習、在宅研究・勤務で利用できるオンラインサービスのご案内」など)電子書籍(駒図では百点以上)の追加購入や「シラバス掲載の教科書のうち、使える電子ブックタイトル」のリスト作成、出版社に利用可能コンテンツの範囲拡大を求める働きかけ、学位論文執筆者(後に来館困難者にも対象を拡大)への郵送サービスなどを行ってきました。駒図では五月下旬からの二か月間で四百名近くがこの郵送サービスを利用、約八百冊を郵送しました。

館長A:六月十七日からは時間短縮の二部入れ替え制・予約者限定で開館を再開、久しぶりに利用者さんたちをお迎えしました。お気づきとは思いますが、駒図の入館や利用内容は、「新型コロナウイルス感染拡大に伴う総合文化研究科の対応方針」と連動しています。三部入れ替え制・夜八時までの時間延長を経て、八月三日からは時間枠を広げた二部制になり、閲覧席やメディアパークも一部利用可能になりました。ここからはこまとちゃんの出番よね、利用についての注意点からどうぞ。

こまと:はい、駒場Ⅰキャンパス入構と駒図入館の規制は状況に応じて変化するので、駒図のウェブサイトやTwitterで最新情報を確認してください。それから入構と入館、両方の予約が必要だよ!

館長A:入構予約は当日ですが、図書館予約は「前日まで」と違いがあるのも要注意です! なお、予約図書や取り寄せ文献複写の受け取りをするだけなら入館予約は不要です。スタッフさんに声をかけてください。

こまと:特にカウンター前ではしっかり間隔をあけて並んでね。貸出は自動貸出機でどうぞ!

館長I:図書館がクラスターにならないよう、ひとりひとりが気をつけましょう。必ずマスクを着け、ソーシャルディスタンスを取り、手指の消毒・手洗いも忘れずに!

こまと:消毒液はいろんな場所に設置したので、遠慮しないでみんなも使ってね!カウンターには除菌ティッシュも用意しています。

館長I:健康第一で、持病をお持ちの方はご無理なさいませんよう。体調が悪い方は入館をお控えください。

館長A:現在、ウイルス感染予防のため、大学と研究科・学部の方針にもとづき入館をご遠慮いただいている卒業生・名誉教授のみなさまには大変ご不便をおかけしております。どうかご理解下さいますよう、そして今しばらくご辛抱ください。

こまと:スタッフさんのお手伝い頑張るから、みなさんも一緒にこの時期を乗り切りましょう!

館長A:おお、こまとちゃん、頼もしい!

館長I:やはり「こまとさん」と呼ぶべきですかね?

またまた照れたこまとちゃんですが、このあとスタッフさんたちも一緒に(十分距離をとって!)ケーキで誕生日をお祝いしました。本紙に初登場したこまとちゃんの姿は、コロナ禍でも頑張る図書館の現実です。これからも試行錯誤が続きますが、開館十九年目を迎えた駒図をどうぞよろしくお願いします。

(駒場図書館/総合文化研究科図書館)

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