HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報626号(2021年4月 1日)

教養学部報

第626号 外部公開

<施設・組織紹介> コロナ禍における初年次活動センター

角野浩史

 初年次活動センターは、駒場博物館とアドミニストレーション棟の隣にあるガラス張りの建物です。主に前期課程の学生(一・二年生)の勉学やキャンパスライフを支援する場として二〇〇八年から使われてきました。約三十名分の机や椅子、ホワイトボード、プロジェクタ、スピーカーが設置されており、テレビ番組も視聴できるほか、冷蔵庫やオーブンレンジ、若干の調理器具を備えたミニキッチンもあり、これまで学生有志が集まって様々な創作活動を行う場として活用されてきました。またイベントがない時間帯にも、自習や勉強会、昼食などに利用されてきました。このように活気溢れる場であった初年次活動センターですが、残念ながら二〇二〇年度はコロナ禍のために四月から閉鎖が続いており、二〇二一年度もしばらくの間は、同じ状況が続くと思われます。
 初年次活動センターでの活動の中でも「しゃべランチ」は、様々な言語を使って自由に交流をするしゃべランチ(「英語でしゃべランチ」など)と、企画系のイベントとして研究者の生活などの話を教員から聞く「教授としゃべランチ」などがあり、学生間や学生~教員間の交流の場を提供してきました。二〇二〇年度はセンター自体が閉鎖されていたため、従来のような活動は不可能でしたが、キャンパスライフにおいてきわめて重要な学生交流の機会をなくさないためにと、オンラインでの活動が実施されてきました。二〇二〇年度Sセメスターでは、オンライン会議ツールZoomを利用し、新入生を主な対象とした「Zoomでしゃべランチ」が開始されました。参加学生のニーズもあり、教授としゃべランチもZoomで継続的に行われてきました。参加者のうち約三割ずつが前期課程の一・二年生ですが、後期課程生や大学院生も参加しています。オンラインのしゃべランチはSセメスター中に十三回開催され、延べ二百人ほどが参加しました。
 二〇二〇年度Aセメスターからはソーシャルサポートとしての機能をより強めていくために「そしゃかふぇ」と改名され、継続して学生交流の場が創作されています。企画系のそしゃかふぇとして、「劇アカ(デミック)さんを連れてきた。」や「劇ユニ(ーク)さんを連れてきた。」なども行われ、交流促進の場となっています。私自身も「劇アカさんを連れてきた。」にゲストとして参加しました。事前打ち合わせはほとんどなく、ざっくばらんに自己紹介から始めて参加者からの質問に答える形で、どのような研究をしているか、どうして研究者になったかなどをとりとめもなく話しましたが、研究者に必要な資質は何と思うかや、研究者としての夢は何かと訊かれて、普段自分でも漠然としか考えてこなかったことを見つめ直すきっかけを与えてもらい、フレッシュな考え方や純粋な好奇心を持つ学生さんとの交流で、ほどよい活力を与えてもらった気がします。また一年生ならではの将来の進路などに関係した質問に、参加者の後期課程学生や大学院生が答えてくれるなど、ヨコだけでなくタテの学生間の交流や相談の場として、たいへん居心地のよいイベントとなっていると感じました。
 初年次活動センターは、これからのWithコロナの生活様式に合わせて柔軟に様式を変化させ、学生活動の充実のために利用できる場所であり続けられるように活動を続けていくとのことですので、興味を持たれた方は初年次活動センターのサイト(http: //shonenji.c.u-tokyo.ac.jp/)や、そしゃかふぇを企画しているDIPsのウェブサイト(https://www.ut-dips.com/)をぜひ訪れてみてください。

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Zoomによるオンライン交流「しゃべランチ」の様子

(令和二年度学部長補佐/広域システム科学/化学)

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