HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報626号(2021年4月 1日)

教養学部報

第626号 外部公開

辞典案内 2021 ペルシア語

前田君江

A.初学者に便利なツール
1.語彙集など
語彙集は各種刊行されているが、価格が高く収録語彙や訳語が古いものが多い。藤元優子『エクスプレス・ペルシア語』『CDエクスプレス・ペルシア語』巻末の単語リストは収録数が多く使いやすい(いずれも白水社、絶版。駒場図書館所蔵。なお、『ニューエクスプレス』の巻末語彙リストは収録数が少ない)。また、日本語→ペルシア語の単語リストとしては、エスファンディヤール&五十嵐『旅の指さし会話帳72 イラン(ペルシャ語)』(情報出版局2007年、オンデマンド版2,970円)に収録のものも便利。
2.オンライン辞書・ペルシア語ネット検索・文字設定方法
授業内で学生さんといっしょに調べたオンライン辞書のなかで比較的使いやすいものとして、(1)Perdic「ペルディック」(ペル→英、英→ペル)、(2)音声付Persian English Dictionary(ペル→英、英→ペル)がある。また、代表的なペルシア語─ペルシア語辞書を網羅し、ペル→英もある程度収録したものとして (3)Vazheyab「ヴァージェヤーブ」(ペル→ペル)が挙げられる。いずれも、本授業の作業サイトhttps://kimiyam72.wixsite.com/websiteより接続可。それぞれに一長一短あるが、スマホ等でも使えるため便利である。併せて、パソコンでのペルシア文字入力方法も、同サイトにリンクを貼っている。
なお、Google翻訳で日本語→ペルシア語に設定して利用するのも初級〜中級学習では有用(英語→ペルシア語の方がさらに良いとの学生情報あり)。ただしペルシア語単語は音声なし、発音表記なし。
また、ペルシア文字で単語を入力し、GoogleやGoogle画像検索で直接サーチするのも有用である。また、新しい用語・特殊用語に関しては、ペルシア語版ウィキペディアも便利(英語・日本語のWikipediaと連動している項目も多い)。
3.授業(Aセメスター)で推奨するポケット版辞典
S.Haim(ed.), Farhang Moaser Shorter Persian-English Dictionary,2009(ISBN 978-600-105-003-9) を授業用の必携辞書として推奨し生協で販売。使いやすく、価格と大きさが手頃。現地直輸入のため、郵便料金・通貨変動により\2,000〜2,500。
4.黒柳恒男(編)ペルシア語─日本語辞典
黒柳(編)によるペル−日辞典は発音表示、意味解説・例文等、いずれの観点からも使いやすく充実しているが、価格が高いのが難点である。卒論や研究にペルシア語史料の講読を必要とするなど、長期的に本格的なペルシア語学習を志す場合にのみ購入するか、図書館や所属研究室での閲覧を勧めたい(以下いずれも駒場図書館所蔵)。
①『現代ペルシア語辞典(ポケット版)』(大学書林、1996年、837p、15,750円)初学者に適した辞書。収録語を現代語に限っている。唯一の日−ペル辞典として、②『日本語ペルシア語辞典(ポケット版)』(大学書林、1996年、617p、11,550円)がある。さらに、①と②の合本縮小本として、③『ペ日・日ペ 現代ペルシア語辞典(合本)』(大学書林、1998年、617p、24,150円)。また、④『ペルシア語辞典』(大学書林、1988年、1091p、絶版)は、①の原版で古典語も収録しており、初学者には使いやすい。
B.伝統的に推奨されてきた辞書
1.ペルシア語-英語辞典など-
歴史史料講読に有用で、歴史研究者に好んで用いられるのが、⑤Steingass(ed.), A Comprehensive Persian-English Dictionary [1st Indian ed.,1539p, 1973を駒場図書館が所蔵]、復刻版をナガラ図書(9,326円)、紀伊国屋Book Web(11,370円)等で購入可。なお、前述A-3のHaim(Hayyim)の辞典には大小様々なヴァージョンがあり、⑥The larger Persian English Dictionary, Tehran, 1113p, 1990を駒場図書館が所蔵。なお、⑤と⑥はいずれもオンライン版があるが、必ずしも使い勝手は良くない。さらに、ソ連時代に編纂されたペルシア語-ロシア語辞書⑦Rubinchik, Persidsko-russkiı˘ slovar´, 2vols.,Moscow, 1970もよく知られる(駒場図書館所蔵)。
2.ペルシア語─ペルシア語辞典
前述の本授業の作業サイトを参照。

(ペルシア語)

※辞書の価格について、特に注意書きのないものは税抜きとなります。

第626号一覧へ戻る  教養学部報TOPへ戻る

無断での転載、転用、複写を禁じます。

総合情報