HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報626号(2021年4月 1日)

教養学部報

第626号 外部公開

辞典案内 2021 台湾語

蔡承維

一、日台辞典
『日台大辞典』小川尚義編集、台湾総督府民政部、1907年:明治期の出版物で表現が古いが、戦後、日台辞典は出版されていないので今も有用。合計4.2万余りの日本語とその台湾語訳を収録、主に廈門音による。発音符号は、台湾総督府が五十音仮名を元に、新しく符号仮名、符号を加えたものを使用。国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
二、台日辞典
1『台日大辞典』(上、下)小川尚義編集、台湾総督府、1931-32年:収録語数が最も多く、解説と用例も優れているため、使い方さえマスターできれば非常に有用。合計9万語余りを収録、主に廈門音を標準として、泉州音、漳州音なども採録。発音符号は、『日台大辞典』と同様。語辞の配列は五十音順。関連版として
①『台湾語大辞典』と改題した復刻版、国書刊行会、1983年。
②王順隆『新編台日大辞典』2004年。教会ローマ字表記、現代日本語訳により再編集した自家版で調べやすい。
③『台日大辞典台語訳本』オンライン版、台湾中央研究院語言学研究所により制作、公開。台湾語(教会ローマ字、台湾ローマ字、漢字(旧字体)のいずれか)から検索できる。解釈は台湾語の漢字ローマ字交じり文だが、語彙の「原冊掃描」ボタンを押すと、台湾総督府版の原本スキャンページを確認でき、日本語話者には便利。
④国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
2『東方台湾語辞典』村上嘉英編著、東方書店、2007年:語彙数は1.35万で、詳細な解説と適切な用例が豊富。日本語索引もあり、最も調べやすい辞書である。教会ローマ字のアルファベット順に並び、台北の偏泉州音で編纂されている。絶版だが編著者によると、大量増補の第二版を編纂中で、2021年度内の出版を目指しているとのこと。
三、『教育部台湾閩南語常用詞辞典』(音声付きのオンライン辞書)
台湾の「教育部国語推行委員会」による編輯、2008年10月に公開:台湾華語がわかれば、台湾語を学びたいものだけではなく、台湾語教育に従事する者にも便利。台湾語の漢字あるいは台湾ローマ字から検索できる。台湾華語の漢字からも検索可。説明は台湾華語のみ。付録に俗諺、百家姓、地名、方言差、二十四節気、外来詞(主な日本語由来)、親族関係、人体器官などの台湾語表現がある。

(中国語)

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