HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報633号(2022年1月 5日)

教養学部報

第633号 外部公開

第29回身体運動科学シンポジウム 報告

高橋謙也

 二〇二一年九月二十五日(土)、第29回身体運動科学シンポジウム「身体運動のニューロサイエンス」がスポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)と共催で開催された。
 シンポジウムは、UTSSIの事務局長である佐々木一茂准教授の司会進行によって進められた。開会の挨拶では、身体運動科学研究室の主任である八田秀雄教授より第1回開催時の開催経緯が説明された。
image632_01_2.jpg 第一部は身体運動科学研究室の鴻巣暁氏、横山光氏、宮田紘平氏、結城笙子氏(いずれも総合文化研究科・助教)によって、これまで取り組んできたニューロサイエンスに関する研究が紹介された。講演では、自らの研究だけではなく、歴史的背景を踏まえ、どこから発想を得たのか、さらに将来の展望についても紹介された。
 第二部では、共催のスポーツ先端科学連携研究機構に関係の深い研究者による講演が行われた。
 岸哲史氏(教育学研究科・助教)は、「ヒト睡眠ダイナミクスの機序解明と操作への展望」という題で、良質な睡眠の獲得に資する新たな技術開発を念頭に、ヒト睡眠の基礎的理解や測定・操作技術について紹介された。
 村井昭彦氏(産業技術総合研究所・主任研究員)は、「ヒトに寄り添い、ヒトを高める、人間拡張技術」という題で、「日常的マルチモーダル計測」「ヒトのモデル化・解析」「リアルタイム介入」の三つの要素から、人間拡張技術のこれからについて紹介された。
 鳴海拓志氏(情報理工学系研究科・准教授)は、「身体とこころの相互作用と人間拡張」という題で、自分と異なる特性を持つバーチャル世界の身体(アバタ)が、自己に対する認識をどのように変化させるかについて紹介された。
 総合討論では、UTSSI機構長の中澤公孝教授の進行のもと、演者間での質疑応答が行われた。
 昨年度に引き続き、オンラインでの開催となったが、例年よりも多くの方に参加していただいた。最後に、本シンポジウムに参加された皆様、そしてシンポジウムの運営にご尽力された関係者の皆様に深く御礼申し上げたい。

(生命環境科学/スポーツ・身体運動)

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