HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報644号(2023年4月 3日)

教養学部報

第644号 外部公開

辞典案内 2023 台湾語

蔡承維

一、日台辞典
『日台大辞典』小川尚義編集、台湾総督府民政部、1907年、1184頁:明治期の出版物で表現が古いが、戦後、日台辞典は出版されていないので今も有用である。合計4.2万余りの日本語とその台湾語訳を収録、主に廈門音による。発音符号は、台湾総督府が五十音仮名を元に、新しく符号仮名、符号を加えたものを使用している。国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
https://dl/ndl.go.jp/pid/869489

二、台日辞典
1 『台日大辞典』(上巻〔877頁〕、下巻〔1043頁〕)小川尚義編集、台湾総督府、1931-32年:収録語数が最も多く、解説と用例も優れているため、使い方さえマスターできれば非常に有用である。合計9万語余りを収録、主に廈門音を標準として、泉州音、漳州音なども採録している。発音符号は、『日台大辞典』と同様で、語辞の配列は五十音順である。関連版として
①『台湾語大辞典』と改題した復刻版、国書刊行会、1983年、19417円。
②国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
(上巻)https://dl/ndl.go.jp/pid/1218326
(下巻)https://dl/ndl.go.jp/pid/1218365
2 『東方台湾語辞典』村上嘉英編著、東方書店、2007年、499頁、6000円:語彙数は1.35万で、詳細な解説と適切な用例が豊富にある。日本語索引もあり、最も調べやすい辞書である。教会ローマ字のアルファベット順に並び、台北の偏泉州音で編纂されている。2023年1月現在品切れになっているようである。編者によれば大量増補の第二版編纂中とのことで、早期の出版を期待したい。

三、『教育部台湾閩南語常用詞辞典』(音声付きのオンライン辞書)
台湾の「教育部国語推行委員会」による編輯、2008年10月に公開:台湾華語がわかれば、台湾語を学びたいものだけではなく、台湾語教育に従事する者にも便利である。台湾語の漢字あるいは台湾ローマ字から検索できる。台湾華語の漢字からも検索可能である。説明は台湾華語のみである。付録に俗諺、百家姓、地名、方言差、二十四節気、外来詞(主な日本語由来)、親族関係、人体器官などの台湾語表現がある。
https://twblg.dict.edu.tw/holodict_new/default.jsp

(中国語)

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