HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報644号(2023年4月 3日)

教養学部報

第644号 外部公開

辞典案内 2023 ドイツ語

森 芳樹

[A]初学者向け
初学者向けといっても1年間あるいはそれ以上使うことになるので、収録語数から以下の辞書を薦める。いずれも簡単で便利な和独辞典など巻末の付属情報も充実し、新正書法を取り入れている。書店で一度手に取ってみることを勧める。語の全体を一目で見渡せることの重要性をわかってもらいたい。
(1)「クラウン独和辞典」(濱川・信岡監修、新田編修主幹、三省堂、2014、1936頁、CD付録つき(発音の手引き/数の数え方/動詞の変化/日常会話表現)、4200円)
(2)「アクセス独和辞典」(在間編集責任、三修社、2021、2176頁、4200円)
(3)「アポロン独和辞典」(根本他編集、同学社、2022、1864頁、4200円)
(4)「プログレッシブ独和辞典」(小野寺他編、小学館、2004、1554頁、3800円)

[B]中級以上向け
以下の辞書は、レイアウトや説明などの点で初学者向けではないが、本格的な勉強には一冊備えておきたい。なお、新正書法への対応はまちまちだが、これらの辞書を使う人にとって問題はなかろう。
(1)「独和大辞典」(コンパクト版:国松他編、小学館、1999、2882頁、7500円)
(2)「新現代独和辞典」(シンチンゲル他編、三修社、2008、1744頁、4200円)

[C]独独辞典
学習用としては、以下のものを薦めたい。ドイツとドイツ語に関心のある人には、ぜひ手にとってもらいたい。
(1)Duden Deutsch als Fremdsprache Standardwörterbuch(第3版:Duden, 2018, 1232頁)。約2万語だが丁寧な説明があり、ヨーロッパ言語共通参照枠(B1-C1レベルに対応)も意識した編集になっている。これとは別に、3500枚の写真やイラストをベースに6千語を所収したDuden Das Bildwörterbuch Deutsch als Fremdsprache, 2016もあり、眺めているのも楽しい。
(2)Langenscheidt Großwörterbuch Deutsch als Fremdsprache(Langenscheidt, 2019, 1342頁, 約12万語)
もちろん、さらに進んだ段階の辞書もさまざまな種類がある。それぞれの用途に定評のある辞書があるが、まずはDUDENの辞書が拠りどころとなろう。

[D]電子辞書
どの辞書が採用されているかには細心の注意が必要。例文も載せていない簡易なものは、授業に適さない。第二外国語にカードだけかそうでなくとも付録として対応する初学者用だけでなく、たとえば日本語、英語に加えて、独和も大辞典で和独、独独も水準の高い物を加えたタイプもある。印刷された紙媒体の辞書とは使用方法、機能ともに異なるが、積極的に活用を試みるとよい。

[E]オンライン辞書
最近はDUDENをはじめ、信頼のおける、非常に水準の高い独独辞典がネット上にも存在する。ここでもサイトの選択と使い方が鍵だろう。このような寸見ツールは勉強というより確認のためだが、早くそれを使いこなせるように、一生懸命勉強してほしい。

(言語情報科学/ドイツ語)

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