HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報653号(2024年4月 1日)

教養学部報

第653号 外部公開

<施設・組織紹介> 駒場アカデミック・ライティング・センター

大石和欣

https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/cawk/

image653-3-03.png 二〇二二年四月に開設された駒場アカデミック・ライティング・センターは、銀杏並木沿い10号館一階にあります。論文・レポートの執筆やプレゼンテーションの準備に際して相談できる貴重な施設です。

 しゃれたデザインの明るくモダンな部屋に入ると、みなさんをサポートしてくれる専門職員とチューターたちが笑顔で迎えてくれます。向かい合って座るベンチシートやグループでも支援を受けられる可動式の椅子とテーブル、モニターが備わっています。対面はもちろんのこと、リモートでも助言を受けられます。

 高校生のときに読書感想文や小論文などについて研鑽を積んできた新入生にとって、大学入学後に期待される学術的なレポートや論文は、それらの延長線上で安易にとらえられがちですが、実のところ似て非なるものです。準備の仕方にノウハウがあるのはもちろん、構成や様式においても守るべきマナーがあり、また表現などについても厳密さを求められるため、注意が必要です。

 大学生になって授業で学術的なことを学びながらも、学術的な議論をすぐに自力で実践できるわけではありません。いきなり論文・レポートを課題に出されても戸惑ってしまいます。日本語ならなんとかなると思いがちですが、簡単ではありません。英語を含めた外国語となるといっそうハードルが高くなります。実際、必修科目であるALESS/ALESAやFLOWの授業では、いきなり英語で論文を執筆したり、プレゼンテーションを準備することが求められ、多くの新入生が大きな壁を感じてしまいます。

 そんなときにぜひ利用していただきたいのが駒場アカデミック・ライティング・センターです。アカデミック・ライティングについて初歩的なことから細かな技術的なことまで、チューターたちが相談に乗ってくれます。「こんなことを書いてみたいのだけれど」といった漠然とした関心を語っていただくだけでも、そこからどのような問題・テーマ設定が可能か、議論を展開する際の問題点は何か、資料の集め方としてどのような方策があるのかなど、個別の助言を受けられます。もちろん行き詰まったときにこそぜひ利用してください。先輩でもあるチューターたちは親身になって一緒に問題点を見きわめ、解決策を探してくれます。

 「書く」という行為は「知」のあり方そのものです。批判的思考力はもちろん、語彙力・表現力、あるいは実験手法やデータ・資料(史料)分析を駆使して新たな「知」を構造化していく創造的プロセスにほかなりません。

 センターでは、ALESS/ALESA/FLOW、初修外国語の授業や前期課程の授業、留学生のための日本語授業に対して主にサポートをしています。また、文系修士学生を主な対象にした大学院生の論文執筆サポートもしています。昼休みには気楽に英会話を楽しめる「ランチタイムチャット」も提供しています。詳細はウェブサイトやX(旧Twitter)をご確認ください。論文執筆に関わる有益な情報もウェブサイトで提供しています。

(言語情報科学/英語)

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