教養学部報
第656号
駒場リベラルアーツ基金2023年度活動報告
増田 建
駒場リベラルアーツ基金は、東京大学基金の中の一つのプロジェクトであり、大学院総合文化研究科・教養学部の支援のための基金として二〇二二年度より設置されました。その目的は、学生支援(学部学生・大学院生への給付型奨学金の拡充、リサーチ・アシスタントの拡充など)、研究支援(教員の研究活動への研究費支援、ポスドク雇用促進など)、環境改善(経年した設備の改修など)の三つが柱となります。
二〇二三年度は、KOMSTEP(学部学生・大学院生の部局間交流プログラム)参加者五名、Aセメスター海外渡航型授業(国際研修)参加者四名の渡航支援のための補助金を支援させていただきました。また駒場リベラルアーツ基金について学内外の皆様に知っていただき、より多くのご寄付をいただくことを目的として、これまで各部局が持ち回りで行ってきた、東京大学基金の寄付促進のための東京大学基金特別セミナーを教養学部が担当することとしました。十二月六日に、「教養学部の活動『駒場の歴史・資料・研究』」と題して、ハイブリッド開催を行いました。またセミナーの開催前には、希望者を対象とした駒場博物館の折茂克哉先生によるキャンパスツアーも行いました。本セミナーの参加者は、これまで東京大学に寄付を行ってこられた方々を対象としています。セミナーでは、石田淳先生、石原あえか先生、折茂克哉先生に講演をお願いして、私達も知らなかったような駒場の歴史や図書館の秘蔵資料などについて紹介いただき、参加者からも大変好評を得ました。また昨年度からの新たな取組として、一括五十万円以上の高額寄付を頂いた方については、そのお名前を銘板に刻印して、駒場ファカルティハウスのレストラン・ルヴェソンヴェール駒場入口に掲示することにしました。以上の取り組みの結果、お陰様で二〇二三年度は二千四百万円を超える寄付をいただくことが出来ました。これはこれまでの東京大学の部局における年間寄付額の記録を更新したことになります。
また三月には、合格者の父母に対して駒場リベラルアーツ基金への寄付をお願いするチラシを作成して、ダイレクトメールをお送りしました。これから進められる、1号館(時計台)の改修工事および図書館Ⅱ期棟の建設にかかる費用を補うことを目的とする「駒場未来プロジェクト」へのご支援をお願いしており、二〇二四年度も順調に寄付をいただいております。今後も駒場の施設整備にとって、駒場リベラルアーツ基金による支援は特に重要であり、継続的に基金の拡充に努力していきたいと考えています。四月には駒場リベラルアーツ基金のホームページ特設サイト(https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KLAF2022/)も設置し、その周知・拡大を図っていきます。尚、以上の取り組みはURA(ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレーター)の浦野みづきさんが中心となって、社会連携本部と調整しながら進めていただきました。そのご尽力に感謝申し上げます。
今後とも皆様の駒場リベラルアーツ基金へのご協力をお願い申し上げます。
(副学部長/広域システム科学/生物)
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