教養学部報
第662号
<施設・組織紹介> 1号館にてお待ちしています─進学選択と進学情報センター─
永井久美子・青木 優
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。駒場Ⅰキャンパスの1号館は、改修を経て、この春、新しく生まれ変わりました。工事期間中、進学情報センターは17号館に一時移転していましたが、このたび1号館の二階に戻ってきました。近くの教室で授業を受ける機会もあることでしょう。ぜひ気軽にセンターにも立ち寄ってください。
進学情報センターでは、皆さんが進路を選択・決定するための情報やアドバイスを提供しています。基本的には平日の十時から十七時までが開室時間で、進学選択が授業期間外に実施されるということもあり、八月や九月も、一定期間を除き利用が可能です。開室カレンダーは、センターのウェブサイトに掲載しています。
東京大学の学生の皆さんはまず教養学部前期課程において、専門的なものの考え方を学ぶとともに、特定の分野に限定されず、幅広い知見を得ることのできるリベラル・アーツ教育を受けることとなります。そしてレイト・スペシャリゼーションと呼ばれる特色ある教育制度に基づき、二年次の夏に、志望する学部や学科(進学単位)を「進学選択」を経て決めることとなります。
進学選択では、さまざまな進学単位に進む道が開かれています。皆さんそれぞれの夢の実現に繋げてください。ただし、科類が指定されない全科類枠は定数が少ないことも多く、また、履修が必須となる要求科目を指定しているところや、平均点の算出に独自の尺度を用いるところもあり、注意が必要です。進学選択には、第一段階、第二段階、第三段階があります。特に、複数の進学単位の志望登録ができ、受入保留アルゴリズムにより内定先を決定される第二段階については、誤解のないよう、仕組みをよく理解してください。
進学選択制度の詳細については、入学時に配布される『履修の手引き』と、二年次の四月に配布される『進学選択の手引き』に説明があります。これらをよく読み、疑問に思うことがあるときは、進学情報センターの教員に質問・相談をしてください。センターには文系(永井)、理系(青木)の専任教員が在籍しており、進学先や成績についての相談に応じています。メールや電話での相談も可能です。進路に迷いや不安が生じたときには、一人で抱え込まず、まずは進学情報センターにお問い合わせください。進学単位の定数は、変わることがあります。志望登録者数も、毎年変化します。「○○点で進学できた」という先輩の話を鵜呑みにすることは危険です。最新の正確な情報を得るためにも、進学情報センターをどうぞご活用ください。
センターには、相談室だけでなく資料室もあります。資料室には、各学部の便覧や講義案内のほか、各学科・専攻の紹介パンフレットやガイダンスの配布物を揃えています。また、資料室内の端末では、進学単位ごとの志望者の平均点の分布グラフを閲覧することができます。点数や人気だけを指標にすることは避けてほしいところですが、自分の成績で進学できるかどうかの難易の予測や、第一志望以外の進学先を考える必要が生じたときの検討材料として活用してください。
進路選択の参考になる機会として、進学選択シンポジウム「私はどのようにして進路を決めたか」が、来る四月二十一日(月)と二十二日(火)に開催されることもご紹介します。各学部の教員もしくは卒業生が体験談を語ってくれるもので、講演後には自由に質問することができます。Zoomウェビナーでの開催で、終了後にはオンライン懇談会も予定しています。将来を考える参考になったと、参加者アンケートでも毎年高い評価を得ています。今回も多くの方々のご参加をお待ちしています。
皆さんの中には、すでに学びたいことを決めている人もいれば、入学後に進学先を選択できる制度に魅力を感じて東京大学を選んだ人もいることでしょう。駒場キャンパスで学ぶ中で、志望先を変更した先輩方もいます。皆さんもこれから、自分ならではの関心のありかをじっくり見極めていってください。
(進学情報センター)
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