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最終更新日:2024.03.26

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受賞・書籍刊行等 2023.04.28

【受章】超域文化科学専攻元教授の三浦篤先生が令和5年春の紫綬褒章を受章

20230428_miurasensei-sijyuhousyou.jpg このたび、大学院総合文化研究科・教養学部 超域文化科学専攻元教授の三浦篤先生が、2023年春の紫綬褒章を受章されました。

 紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術分野における優れた業績等に対して授与されるものです。

 三浦篤先生は、1993年に本学教養学部に助教授として着任以来、本学部と本研究科において教育・研究活動に従事されました。1997年にフランスのパリ第4大学にて博士号を取得、2006年に本研究科教授となられましたが、前期課程ではフランス語部会(現フランス語・イタリア語部会)に、後期課程においては当初は教養学科比較日本文化論分科、2011年の改組後は超域文化科学分科比較文学比較芸術コースに、そして大学院では超域文化科学専攻比較文学比較文化研究室に所属され、多くの学生を指導されてきました。

 三浦先生の主要な研究は、フランスを中心とする近代西洋美術史と日仏美術交流史です。当該分野の第一人者として国内外で幅広い活躍をされていることは、三浦先生がパリ第4大学招聘教授(2007年)、パリ高等師範学校招聘教授(2013年)、パリ社会科学高等研究院招聘教授(2014年)として教壇に立っておられることからも知ることができます。

 三浦先生の代表的業績としては、2006年に出版された単著『近代芸術家の表象―マネ、ファンタン=ラトゥールと1860年代のフランス絵画―』(2007年、第29回サントリー学芸賞芸術・文学部門受賞)、2021年に名古屋大学出版会から上梓された『移り棲む美術―ジャポニスム、コラン、日本近代洋画』(同年、第34回和辻哲郎文化賞一般部門と第72回芸術選奨文部科学大臣賞評論等部門をダブル受賞)といった学術的著作が挙げられます。また、『まなざしのレッスン 1西洋伝統絵画』(2001年)、『まなざしのレッスン 2西洋近現代絵画』(2015年)といった日本における西洋美術史教育に大きな貢献した著作もあります。さらに、カタログが第12回倫雅美術奨励賞美術史部門を受賞した『ラファエル・コラン』展(1999年~2000年)をはじめとする数多くの展覧会において監修、学術協力をされ、日本における美術普及活動を牽引されました。『パリ・オペラ座--響き合う芸術の殿堂』展(2022年~23年)においてはジャンルを超えた芸術の照応としてのパリ・オペラ座をテーマに展覧会を監修され、ひろく芸術に対して一般の関心を高める活動をされました。

 2015年にフランス共和国芸術文化勲章 シュヴァリエを受勲されたのは、ご専門の研究活動のみならず、日仏美術交流の功績が認められてのことだったことも、三浦先生の幅広いご活躍を顕著にあらわしています。さらに、理事長を務めたジャポニスム学会、代表委員を務めた美術史学会、現在副会長を務めておられる国際美術史学会、等々、諸学会の運営において中心的な役割を果たしておられ、ご自身の活躍はもとより当該分野の学術発展と後進の指導に大きく寄与されています。

 この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、先生のご健勝と益々のご活躍を祈念いたします。

【関連URL】
 内閣府 令和5年度 春の叙勲等:
 超域文化科学専攻:http://choiki.c.u-tokyo.ac.jp/

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