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最終更新日:2024.12.05

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受賞・書籍刊行等 2024.12.05

【受賞】広域科学専攻 池上研究室 博士課程の高田亮介さん、堀口維里優さんが人工知能学会全国大会で受賞

2024年5月28日(火)から31日(金)に静岡県浜松市で開催された第38回人工知能学会全国大会において、本学総合文化研究科広域科学専攻 博士課程3年の高田亮介さん(池上研究室所属)が全国大会学生奨励賞を受賞し、同研究室修士課程2年の堀口維里優さんが全国大会優秀賞を受賞しました。人工知能学会全国大会において特に優秀な研究を発表した者に与えられる賞となります。

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業績概要
高田亮介さんの発表「LLMエージェントの集団インタラクションを通したゲームの新しい戦略の創発」では、大規模言語モデル(LLM)エージェントの初期特性を明示的に設定せずに、集団内での社会性や個性の創発を目指しました。従来の研究では、各エージェントの性格や記憶を人為的に設定する必要がありましたが、高田さんはエージェント同士がゲーム内の状況に応じて言語を用いて情報を発信し合う環境を構築しました。その結果、エージェントは相互作用を通じて記憶や行動を変化させ、希少な行動の出現や新たな情報の拡散が観察されました。これにより、初期設定に依存しないエージェントの個性や集団の進化について新たな知見を得ることに成功しました。 堀口維里優さんのポスター発表「LLMエージェント同士の自然言語による戦略進化」では、LLMエージェントが自然言語での対話を通じて規範的な戦略を自発的に生成する過程を探究しました。アクセルロッドのノルムゲームの枠組みを拡張し、エージェント間の対話によりメタノルムといった複雑な社会規範が形成されることを実験的に示しました。これにより、LLMエージェントが自然言語を介して既存の規範を強化し、新たな規範を創出できる可能性を明らかにし、AIのアラインメントや社会的相互作用のモデル化におけるLLMの活用に重要な示唆を提供しました。

論文情報
• 高田亮介ほか:「LLMエージェントの集団インタラクションを通したゲームの新しい戦略の創発」、第38回人工知能学会全国大会論文集、2024年。[2F4-GS-5-02]
• 堀口維里優ほか:「LLMエージェント同士の自然言語による戦略進化」、第38回人工知能学会全国大会論文集、2024年。[3Xin2-85]


関連リンク

池上研究室:https://www.sacral.c.u-tokyo.ac.jp/
全国大会優秀賞:https://www.ai-gakkai.or.jp/about/award/jsai_award-conf/
全国大会学生奨励賞:https://www.ai-gakkai.or.jp/about/award/jsai_award-conf-s/#CONFERENCE_S

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