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最終更新日:2024.05.10

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イベント 2019.03.19

駒場博物館特別展「文字なき文明の名もなき名工たち―古代アンデス研究の新展開」

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 教職員 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生
会期 2019年3月23日~2019年6月30日
開館時間 10:00-18:00
休館日 毎週火曜日休館ただし4月29日は開館
会場 駒場Ⅰキャンパス 駒場博物館1階展示室 南側
入場料 無料
概要

南米大陸の西海岸の諸国は、太平洋以外に隔てるもののない、日本の隣人です。このたびペルー、コロンビア、エクアドルと我が国の、長きにわたる人的、外交的、そして学術的交流を記念して、特別展「文字なき文明の名もなき名工たち―古代アンデス研究の新展開」を開催いたします。

かつてユーラシア大陸から北米大陸へと一握りの人類集団が渡り、その子孫が紀元前9000年ころ、南米大陸のアンデス山脈一帯に到達しました。多様な資源に富んだその環境に適応した人びとは、独自の感性をもって世界観を構築しました。紀元前3000年頃までにエクアドルやコロンビアに広まった土器や土偶、同じころペルーに建ち並び始めた壮麗な建築群には、古代アンデスの人びとの祈りが表現されています。工芸品や神殿に体現された信仰は人びとの連帯の基層となり、アンデス文明と呼ばれる大規模で複雑な社会が、その中から形成されていったのです。やがて16世紀にこの地に到達したヨーロッパ人は、インカ帝国や、タイロナなど周辺の諸文化の豊かさに驚嘆しつつも、武力によってそれらを征服しました。人類史における敗者となってしまい、また自らの歴史を記録する文字の体系がなかったために、アンデス世界はその後長らく、西洋中心的な歴史記述の中で脇役に追いやられることとなりました。

今日、アフリカ大陸とユーラシア大陸の大河流域に発祥した「四大文明」という語は、世界史教科書から消えつつあります。中米や南米に発祥した文明もまたたいへん古い歴史を持ち、経済や技術が高度に発達し、世界的に見ても常に大規模な人口を擁していた、成熟した社会であったからです。それを解き明かしてきたのは、歴史学、人類学、近年では古環境学やゲノム科学などの多様な研究分野であり、それらを結びつけるのが考古学です。古代アンデスの考古データは例えば、文字も車輪もミルクもなしに社会は飛躍的に発展しうる、と我々に示してくれます。60年前に東京大学がペルーの考古学に着手したのが発端となり、今や日本は新大陸考古学の国際的な拠点のひとつとなって、人間とは何かという問いを発信し続けています。

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展覧会ちらし(PDF:1.96MB)

関連URL http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/exhibition.html#Andes2019
お問合せ先 駒場博物館 03-5454-6139
komabamuseum@adm.c.u-tokyo.ac.jp

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