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2023.10.16
【イベント】第1回GSIセミナー 中村沙絵「「ケアするように書くこと」あるいは〈歌〉としての民族誌」(開催日:2023/10/26)
区分 |
講演会等 |
対象者 | 社会人・一般・在学生・教職員 |
開催日時 |
2023/10/26(木)15:00~16:30 |
会場 |
その他学内/学外 (オンライン) |
定員 |
100~200名程度 |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
要事前申込み。下記URLよりお申込みください。 |
本文 |
第1回 GSIセミナー
私が2007年から2010年にかけてフィールドワークを行ったスリランカの養老院は、確定記述からこぼれるような、とらえどころのない現実に満ちみちた世界だった。そこでの老病死の現実は調査地の人たちにとって予期しないことの連続で、「あっけない」死や親族に顧みられない死の光景は間主観的に共有された文化的意味づけなど寄せつけないかにみえた。施設で最期を迎える人たちに付き添う若い女性スタッフたちは、入居者の姿を嘲笑し遠ざけようとしつつも、目の前の入居者に「なってしまう」近さにおいて看取りに従事していた。私自身もまた経験したように、そこは入居者とともに根本的な生の条件に曝される契機が潜んでいる場所だった。 明晰に確証できる事柄について曖昧さを排して書いてしまえば、フィールドで学んだ大事なものごとをとりこぼしてしまう----私にとって民族誌を書く(あるいは書き直す)営みとは、こうした直観にもとづく方法論の探究であり、それはまたままならない生を生きる入居者やスタッフたちの生きざまを厳密に論じる対象とするのでなく、ただ記述をとおして〈居場所を与える〉ような関わりに向けた試行錯誤でもあった。本発表では、この試行錯誤から導かれた民族誌の書き方についての道筋のひとつを、Lisa Stevensonの著作から着想をえつつ、「ケアするように書くこと」あるいは〈歌〉としての民族誌、という概念をてがかりに提示する。 【司会】 【コメント】 【言語】日本語 |
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